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4話

結構恋愛に入るまでかかりそうです.........。


すみません。

目的の場所につき、マチル草を採った後私は少し休憩していた。といってもほとんど疲れてないが。


そんな時だった。


「っ!」


今までは魔物と戦っていた冒険者は仕事なのでスルーしてきたが、今、魔法で私に見えたのは三人の冒険者とその周りを囲む約三十頭の大きな狼達だった。一番小さい狼でも四メートルはありそうだ。流石に分が悪いだろう。私は咄嗟にそこへ向かって走り出した。


毎回こんなことをしていればきりがないだろう。冒険者とはそういう職業だとメルさんにも言われたばかりだ。だが、見つけてしまったのなら助けるべきではないのだろうか。ここで見ないふりをすれば私はきっと後悔する。それに、私の記憶がそれくらいどうってことない、怯えるような相手ではないといっている。そんな気がして私は必死に走った。


あと、もう少しというところで、私に見えたのは狼に囲まれた弓を持つ青年と細い剣を持つ若い女性とその二人を庇うようにして立つ大剣を持った男だった。


庇われている二人はどちらも怪我を負っていて、大剣を持った男に自分たちを庇わずに逃げろと叫んでいる。


私は思わず声をかけた。



「大丈夫ですか!」



三人は私に気がつくと一瞬呆気に取られたような顔をして一斉に叫び出した。



「な、何してるの、あなた?!早く逃げて!」


「関係ない人は巻き込めない!あんたも俺たちと死ぬことになる!」


「君一人ならきっと逃げられるから!」




そんなことを言う三人に群がる狼達は今にも三人に飛びかかりそうだ。そんな中、狼達はようやく私に気づいたようで、あの三人とは違い武器を持っていない私を見て一斉に飛びかかってきた。


私はそんな狼を見ても冷静に腕を上に掲げた。だが、自分自身でも何故こんなに冷静なのかは分からなかった。


そして、次の瞬間には狼達は皆凍りつき周りの温度も数度下がっていた。


またもや、自分のしたことに驚いたティーナだったがこちらを見たまま驚いて固まっている三人のうちの二人が怪我をしていることを思い出し、急いで三人に駆け寄った。



「え、ええっと、無事で何よりです」


「あ、ああ、助かった」


「.......そうだ、怪我治しますね」


「「「えっ?!」」」



そこまでいってようやく三人は何が起こったのか理解したようだった。



「今のこれあなたがやったの?」



話しかけてきたのは細剣を持った真っ赤な髪と瞳の気の強そうな私と同じくらいの女性だった。


私は、二人の怪我を治しながら応えた。



「はい。多分」


「もしかして、君は魔族?」


「ええ?!違いますよ?!だって私蝙蝠みたいな羽根もないし、尻尾もツノもないじゃないですか?」


「そ、そうだけど........ご、ごめん」



魔族は総じて魔力が多く魔法が得意だ。だが、私は魔族の魔法を見たことはないがそれほど強い魔法を使った覚えもない。ティーナは何故魔族と間違えられたのか不思議に思った。


「あ、そうだ。この狼ってギルドに持っていけば引き取ってもらえるんですよね。私が持って帰っていいですか」


「そりゃあもちろん、あんたが倒したんだから当たり前だ」



その返事を聞いて私は凍りついた狼達をギルドでもらった袋に入れようとしたが既にマチル草でいっぱいで入らなかった。どうしようかと思ったがまた、魔法でどうにかできないかと思い異空間の魔法を想像すると以外と簡単にでき、その中に全ての余った全ての狼を入れた。



「う、嘘だろ.....無詠唱............なぁ、あんた名前は知らないけどかなりの高ランク冒険者だろ?よければ俺たちと......」


「あっ、私もう帰らないと!帰りはここまで来れたんですから貴方達だけで大丈夫ですよね。私まだ宿も決まってなくて急がないといけないので.........!」


「え?!ち、ちょっと待っ!」


何か言っていた気がするが一刻も早く街へ帰りたいので、それだけ言い残して私は街に戻った。









***








街へ戻りギルドに入ると私は真っ先にメルさんの元へ向かった。


「あれ?ティーナさんじゃないですか。まだ四時間しか経っていませんよ?森へは行かなかったんですか?」


「ああ、もう依頼をやり終わって帰ってきたところです」


「ほ、本当ですか?」


「えっと、これであってますよね」



そう言って私はメルさんの机の上にギルドでもらった袋を手渡した。

袋を開けたメルさんは目を大きく見開き、「このマチル草はどこで?」と聞いてきた。私は「メルさんに言われた森ですよ?」と答えるとメルさんは「そんなはずは.........」と考え込みはじめてしまった。



「あの、メルさん。森で遭遇した魔物を倒してきたんですけど、引き取ってもらえますか?」


「え!魔物とあったんですか?!怪我はしてないみたいですけど.........」


「はい。あまり強くない魔物だったみたいで魔法で簡単に倒せました」


「そ、そうですか......では引き取らせてもらいますから、ってその魔物はどこに.........?」



それもそうか。袋にはマチル草が詰まっていて私は手に魔物も手にしていない。これで魔物を引き取ってと言われても困るだけだろう。



「今出しますね」



そう言って、私は床に全部で三十三頭いた狼の魔物のうちの一頭を異空間の中から出した。



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