27話
「じ、自分は隣のリゼとパーティーを組んでるマ、マークっていうっす!よろしくお願いしますっす!」
「わ、わわわ、私リゼです!夜の妖精姫様とご一緒になれて、嬉しいでしゅ!」
そう言って、リゼという少女は思いっきり最後に噛んで顔を赤くした。だが、その時リゼに劣らず顔を染めている者がいた。
「ちょっ!や、やめてください!夜の精霊姫様とか恥ずかしすぎますから………!」
そんなティーナの様子を見て、周りもまた顔を赤く染めるのだった。
「えっと、俺は隣の二人とパーティーを組んでるリーダーの獣人族のカインです!あと弟のレインと知り合ったエルフのシュゼラルですっ!」
「レ、レイン……です」
「シュゼラルと申します。魔法を得意とするので是非ティーナ様から学びたいと思っております」
「よろしくお願いしますね。ところでえっと……シュゼラルさん?」
「はい、なんでしょうか!」
シュゼラルと名乗った青年は、私を輝くような眼差しで見つめてくる。
「様付けはやめて欲しいんですが……やり難いので………」
「いえ!本当は精霊姫様と呼びたいところをティーナ様と呼んでいるのです!これ以上はティーナであろうと譲れません!」
「そ、そうですか……」
余りにもすごい勢いだったので、ティーナは早々に諦める事にした。
ちなみにマーク達のパーティはGランク、カイン達のパーティーはEランクだそうだ。
そして、約四十分後私達は森の入り口へと到着した。
「じゃあ、行きましょうか」
「「「「「はい!(っす)」」」」」
彼らのやる気は十分なようだ。
マークとカインを先頭に、その後ろにリゼ、シュゼラル、レインの順番で、私は一番後ろで五人を見守る形で並んでいる。
五人は、いつ魔物に遭遇するかわからないため、慎重に歩みを進めていった。
と、その時私が発動されていた魔法の一つに何かが引っかかった。
(ん〜と、これは確かファイアボアだったかしら?それが三体………ランクはDだったはずよね……私なら瞬殺だけれど今回私は教える側だし………五人で頑張れば一体はいけるかしら……?)
何かあったら私がなんとかするし……と、そう思い、五人に伝える。
「皆さん、止まってください。ここから五十メートルほど進んだところにファイアボアが三体います」
私の言葉にシュゼラルが目を輝かせる。
「さ、流石ティーナ様!もしや、探知魔法ですか?!というか、どうして魔物の種類まで……そんな高難度の魔法を………」
そんなシュゼラルをスルーして、マークが神妙な顔つきで口を開く。
「それにしても、ファイアボアっすか……」
「えぇ。皆さんのランク的に考えて私が二体を引き受けますから、残りの一体をお願いしたいところです」
「「「「「任せてください!」」」」」
ファイアボアはその名の通り炎魔法を使い、突進して来る猪のような魔物だ。この、知り合ったばかりの五人がどうやって対処するのか楽しみだ。
ちょうどその時、前方に炎を纏ったファイアボアが現れた。
「来ましたよ!」
「「「「「はい!(っす)」」」」」
私は直ぐ様三体いるファイアボアの内二体を素材が無駄にならない様、風魔法で首を落とす。
「『風の刃』!」
もちろん適当な詠唱も忘れない。
見事にファイアボアに直撃した私の魔法は、簡単に二体のファイアボアの首を落とした。
それを見ていたレインとマークが、呆気に取られた顔でこちらを見ていた。
「す、すごい……これがSランク冒険者………」
「呆気にとられている場合じゃないですよ!」
私が叫んだ時にはもう、ファイアボアがこちらに向かって突進してきていた。
「『大地よ!我らを守護する壁となれ』!」
シュゼラルが叫んだと同時に、地面から二メートルほどの土の壁が現れた。
ファイアボアはそれに衝突し、シュゼラルのお陰で二人は怪我をせずに済んだ。
いくら、私がいるからと言って自分達よりランクが高い魔物と戦う時に、別のことに気を取られているのはいただけない。
「貴方達は今、命を狙われているんです!一瞬でも気を抜いたら、後悔するのは貴方達自身ですよ!」
私の言葉にハッとしたような表情をした二人は、剣を握る力を強めた。
長くなってすみません!
まだ、もう少し続きそうです……




