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25話

………借りてきた本の内容はこんなものだった。

 


「なんというか、本当に悲しいお話ですね………」


「そりゃあ、そうだとは思うが泣くほどか?」


「えっ?」



ディルに言われて初めて気づいたが私は泣いていたようだ。最近、気付かないうちに泣いたりしていることが多い気がする。もしかすると、私が記憶を失う前のことに何か関係があるのだろうか………


それに、この本に出てきた女神様の髪の色は銀で瞳はアメジスト色。今は魔法で髪の色を変えているが、そんな事はあるのだろうか……?



「す、すみません。少し感情移入しちゃったみたいで……」



私がそう言っても、みんなは心配する眼差しを私に向けてくる。


本当に大丈夫なのに………


それから、一ヶ月後私達は拠点を王都に移し二年が経った。











***











私達はさらに難易度の高い依頼を受けながら、気付けば全員がSランクの冒険者となっており、パーティーではSSランクになっていた。


そんな私達は、王都でも有名で今日はギルドでランクD以下の冒険者たちにいろいろ指導することになっている。


何故かというと、2年前もそうだったがそれからもっと魔物が増えるなどしていて、冒険者の死亡率が上がったため、二ヶ月に一回ほどこういう事を行うことになったらしい。しかも今日は今度、魔物と戦うことが少ない城の兵士が魔物の討伐に行くらしく、新米の兵士たちも多く参加するみたいだ。


もちろん教える側は依頼として受けている。


教える側のベテラン冒険者はランクC以上となっており、今回一番ランクが高いSランクの私達は他の冒険者達の憧れのまととなっているようだ。


因みにルークはお留守番だ。



「おーい!二人とも、早く行くぞ〜!」



宿の部屋の前で私達を呼ぶ声がした。



「はーい!今行きまーす!」


「もうっ!女の子は時間がかかるんだから、少しくらい待ちなさいよね!」



と、まぁ、アルカナとディルは二年経っても全く変わっていなかった。


一番、変わったのはフレインだった。何となくだが話していると目を逸らされたりすることが多くなった気がする。


因みにルークは髪を染めたまま生活している。声は戻っていないが、前より背も伸び、感情的になり文字もある程度読み書きができるようになった。


あれから、ルークと契約している精霊本人に聞いたところ名前はロウというらしい。



「ティーナ、準備できた?」


「はい!バッチリです!」


「じゃあ、行こっか!」



私達は部屋を出てディル、フレインと合流しギルドへと向かった。



「おっ!ディルさん達じゃないか!今日も依頼か?」


「ああ、今日はギルドで新人冒険者達に指導する依頼を受けるんだ!」


「流石、SSランクパーティーだな!新人達も喜ぶだろ!頑張れよ!」



こんな風にたくさんの人達に声を掛けられながらもギルドに到着した。王都のギルドということもあり二年前までいた街のギルドとは規模が違う。


その時、騒がしいにもかかわらずギルド内全体にパンパンという手を叩く音が響き渡った。



「はーい!聞いてくださーい!パーティーの組み合わせはくじで行いまーす!ランクD以下の方達のパーティーはバラバラになりませんが、ベテラン冒険者の方達のパーティーはバラバラになるのでご了承くださーい!ベテラン冒険者の方は右の箱から、新人の方はパーティーの代表一人が左の箱から引いて同じ番号の書いてある人と一緒になって下さーい!」


「そっかあ、みんなバラバラになっちゃうんですね」



みんなとバラバラになると聞いて少しだけ残念だなと思った。



「まぁ、このままだとかなり実力差も出るしね」


「そうだな。じゃあ終わった後はそれぞれ帰るってことでいいか?」


「はい」


「ん。それでいいわ」


「僕もそれでいいよ」


「ティーナ、男の人には気をつけてね!いつもは私達がついているけど今日はバラバラになるんだから!」


「分かりました?」



かなりの勢いで言ってくるアルカナを不思議に思いながらも一応返事をしておく。



「はぁ〜、分かってないわね……とにかく気をつけるようにしてね」



そう言って私達はくじを引きに行ったがやはりというべきか、同じになった人はいなかった。


ええっと……私は十六番ね………あっ!あそにいる人達かな?


ちょうど、少し先に十六番の人〜と呼んでいる人達がいて、小走りでそっちに向かった。



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