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24話

今日は、お伽話の内容を書きました!

昔々あるところに、誰よりも強く賢く美しい、民から慕われている竜人族の賢王様がいました。


その王様は誰よりも優しい人でしたが、大きな二つの悩みを抱えていました。


一つは、争いが絶えないこと。


もう一つは、王様には寿命が存在しないということでした。


王様は誰にもその悩みを打ち明けたことはありませんでした。なぜなら、たとえ打ち明けたとしても結局は自分が取り残されてしまうからです。


そうして、日に日に王様の心は沈んでいきました。





そんなある日、王様は誰にも気付かれないよう、夜に一人で森の湖へと向かいました。


その日は満月が美しい日でした。


いつもは、とても静かで王様の心を落ち着かせるのに最適な場所でしたが、その日だけは違いました。


湖に近づくにつれ、聞いたことのない美しい歌が聞こえてきたのです。


その歌は聞いたことのない言葉で歌詞の意味は分かりませんでしたが、王様の心は大きく揺さぶられました。


湖へと辿り着き、そこにいたのは湖の上で大きな白い狼、伝説の獣フェンリルと沢山の精霊達と舞いながら歌っている、人間には存在しない月のように輝く銀髪とアメジスト色の目をした王様が今まで見たことのないような、人間離れをした容姿の美しい少女でした。


その時突如少女が一筋の涙を流しました。王様は思わず見惚れてしまい、ハッとして声を掛けようとしました。


ですが、その前に気づかれたようで少女は慌てて湖へと飛び込もうとしました。


このまま行かせてしまったら、二度と会えないような気がした王様は少女に待ってくれ、と叫びました。


少女は、戸惑いましたが恐る恐る王様の方を振り返りました。


王様は自身の名だけを告げ、王様だとは伝えませんでした。


また、少女も自身の名だけを告げ、自分が何者なのかは伝えませんでした。


先程の歌は何という歌なのかと王様が問うと少女は人間の争いを悲しんだ歌だと言いました。


王様は自身と同じ悩みを持っている少女のことをもっと知りたいと思うようになりました。


その日はもう、明け方に近かったため王様はもう帰らなくてはいけなくなりました。


二人は、今日の夜、また同じ時間にここで会う約束をして、その日はそれぞれ帰って行きました。




それから二人は、毎日同じ時間に秘密で、この場所で会うようになりました。



そうしていくうちに二人は互いのことを愛する様になりました。


ですが、王様には寿命が存在しないので彼女にもまた置いていかれてしまうのかと思うと、とても胸が締め付けられました。


ですが、今回だけは違いました。王様は少女に二度とあえなくなることも覚悟で、秘密を打ち明けることを決意したのです。


その日の夜、王様は少女に自分は竜族の王だと伝えました。


少女はアメジスト色の瞳をこぼれ落ちそうなほど、目を見開き驚いたと思うと、少女は自分は女神なのだと言いました。


今度は王様が驚く番でした。


少女は自分も神の為、寿命が存在せず悩んでいたのだと言いました。


少女は王様と同じ理由で悩んでいたのです。


二人は泣いて喜び、熱い抱擁を交わしました。


それは、王様の心を溶かすには充分な出来事でした。


そうして、二人の想いは通じ合ったのです。










ですが、物事はそううまく進みませんでした。


王様と思いが通じ合った後、国民に紹介された少女は優しく慈愛に満ちている素晴らしい人だった為、その美しい月のように輝く髪から月の女神様と呼ばれ、国民にとても愛されました。



そうして、初めは反対していた国の重臣たちも、少女の人柄を知り認めるようになりました。


ですが、二人の結婚が間近に迫った頃事件は起きました。


この世界を支配しようと異世界からの邪神、シドが現れたのです。


少女は早くどうにかしなければと、一人で邪神の元へ向かおうとしました。王様を危険な目に遭わせたくなかったのです。


ですが、それは王様も同じでした。ようやく手に入れられた幸せを、彼女を失いたくなかったのです。


その間にも、魔物が増え大きな村や街ついには小さな国までもが滅ぼされてしまいました。


二人は二人で行くという決断をし、王様は巨大な竜の姿で、少女は背中に美しい真っ白な翼を生やし、銀の粒子を振り撒きながら飛んで行きます。


王様は巨大な竜の姿で、少女は強力な魔法といつもそばに連れているフェンリルと共に戦いました。


結果的に、邪神を倒すことは出来ましたが少女は王様を庇ったせいで大怪我を負い、最後には王様の腕の中で身体が薄くなっていき、そして何も残らず消えてしまいました。


王様は、深く悲しみ四六時中泣き叫びました。また、少女のことを慕っていた国民達も彼女の死を悲しみました。


その後王様は、自分にはやらなければならないことがあるが、いつか必ず戻ってくると言い残し、国に帰ってくることはありませんでした。




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