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11話

あれから、宿も取れ一ヶ月ほどが経ち、冒険者として特になんの問題も起こさずに?過ごしてきた。魔物退治だったり、人の護衛だったり、街を観光したり......。そして今日は、フィロルさんから会わせたい人がいるとギルドに行くことになっている。



「あっ、タイカさん!おはようございます!」


「ティーナちゃんか!おはよう。今日はどこに行くんだい?」



タイカさんはこの宿のオーナーで、この一ヶ月で仲良くなり私のもう一人のお母さん的存在だ。......もう一人のと言っても本当の母親は覚えていないが......自分でいっていて悲しくなってきた......ごめんなさい!私絶対思い出すからね!



「今日はギルド長のフィロルさんに呼ばれているんです。なんでも会わせたい人がいるとかで........」


「そうかい、若いのにすごいねぇ。気をつけて行っておいで」


「はい!」



そう言って、私はローブを被り外へ出た。特に問題ないようなのでローブなしで行こうと思ったのだが、フィロルさんに紫の目の色は魔力が多い人が多く目立つためなるべく隠した方がいいと言われたので、前より深くは被らずにローブを着た。



うーんやっぱり今日もかぁ〜


ここ一ヶ月街を歩いていると何故か周りから視線を感じた。タイカさんに聞いても「まぁそうだろうね。でもあまり気にしないほうがいいと思うよ」と返されるだけで理由は教えてくれなかった。どうしてだろうか?


そんなことを考えているうちに、ギルドに着いて真っ先にメルさんの受付に行き、フィロルさんの元へ案内してもらった。


中にいるのはフィロルさんなので、もう大丈夫だろうと私はローブを脱いだ。ローブを被っているとかなり上を向かない限り地面しか見えずに歩きにくいからだ。


そして扉を開けるとそこには、フィロルさんの他に三人の若い男女がいた。


むむむ?どこかで見たことがある気がするけどどこでだろう?まぁいいか…そのうちわかりそうだし、それよりあいさつよね。



「失礼します。えっと、フィロルさん。その方達は?」


「ああ、ティーナさん。こちらの方達が貴方に会いたいと言っていた方達ですよ」



私に.....?この人たちが......?



「そうでしたか。私ティーナです。えっと私に話というのは?」


「まさか、こんなに綺麗な子だったなんて........」

「た、確かに…...。見た目からは想像できないね」



何やら、男性二人がこそこそ話しているがもう一人の女性が入ってきたことでそれは聞こえなかった。



「貴方やっぱり、あの時助けてくれた子よね?!あの時は本当にありがとう!流石にもうダメかと思ったわ!」


「へっ?」



彼女は、真っ赤な髪と目の意思の強そうな若い私と同じくらいの女性だった。



「おい、アル!いきなりそんなこと言われても驚くだろう!まずは自己紹介からって習わなかったのか!」



そう女性に注意するのは一人だけ二十代後半くらいだろう茶色の癖のある短髪と深い碧眼の男性だった。



「ちょっとディル!アルって呼ばないでって言ってるでしょ!なんかアルって男みたいじゃない!」


「ああ?そんなのわかればいいんだよ、わかればな」


「はあ?!」



いきなり始まった喧嘩に私が驚いていると、もう一人の金色に輝く瞳と藍色のストレートの髪を、肩につくかつかないかぐらいまで伸ばしている、気の弱そうな青年がそれに入って行った。



「ちょ!二人とも落ち着いて!彼女が驚いてるじゃないか」


「「あっ」」



そこまで行ってようやく気がついたのか、こちらを見て自己紹介を始めた。



「全く......二人がごめんね…驚いたでしょ。僕はフレイン。よろしくね」


「私はアルカナ!同年代で貴方みたいな子と会えて嬉しいわ!よろしくね!」


「あー、驚かせて悪かったな。俺は蒼天の銀のリーダーをやっているディルガルドだ。この間は本当に助かった、ありがとう」



な、なんてゆうか凄く切り替えが早いっていうか......喧嘩してたけどフレイン?というこの人の対応を見るといつものことっぽいし......喧嘩するほど仲が良いってことかしら?


って、私に話しかけてきてたわ!



「あ、はい。よろしくお願いします。あの、ディルガルドさん?助かったって?私がですか?」



ティーナは全くなんのことか分かっていなかった。



「え?あんただよな?一ヶ月くらい前にブラックローウルフの群れに囲まれていた俺たちを助けてくれたの」



一ヶ月くらい前......ブラックローウルフの群れ.........。



「あっ!もしかしてあの時の?!」


そこまで言われてティーナは思い出した。ブラックローウルフとかいう大きなオオカミの魔物から助けた人たちがいたな、と。



「やっぱり貴方だったのね!」


「でも、どうして貴方たちが私のところに?」


「実はね............」








***








話を聞くと彼女たちのパーティーはもともと四人で、今はいない一人は魔導士だったらしい。だがその魔導士は少し前に結婚して冒険者を引退したらしい。そして、その後魔導士が抜けてからはじめての依頼でブラックローウルフの群れに囲まれ、私に助けられたということだった。



「なるほど、大変だったんですね」



私が素直に思ったことだけを言うと三人は少し目を見開いた。



「........君、本当に僕たちのこと何も知らないんだね」



私がなんのことだという顔をすると、自分から言うのもあれだけど、これでも一応結構有名な冒険者なんだよと、フレインさんが苦笑した。


茶色の髪と目→ディルガルド


真っ赤な髪と目→アルカナ


藍色の髪と金色の目→フレイン


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