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魔法遣いローテアウゼンのキセキ  作者: 福山 晃
最終章 エピローグ
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師弟の再会⑦

 朝食を済ませると稽古を再開した。俺とエミリアは仕上げにもう少し一緒に素振りをしてからエミリアにはもう少し進んだ内容を伝えることにした。


「基本はだいたい出来てきたから、これから居合を教えよう」


「イアイ……ですか?」


「そうだ、居合だ。ケルナが見たという魔法使いも恐らく同じ技で相手を斬っていると思う」


 そう言うとエミリアは目を輝かせた。


「本当ですか?」


「うむ、抜刀術とも言うが鞘の中で刀身を奔らせて抜刀と同時に斬るという疾さが肝心な技だ」


 俺は抜刀術について一通り説明をするが、エミリアは熱心に聞き入った。


「ではやって見せよう、それが一番早い」


「お願いしますっ」


 俺はエミリアの前で構え、鯉口を切り抜刀から納刀まで一気にやって見せた。


「どうだ?」


 エミリアは口を閉め忘れたかのようにポカンと眺めていた。


「はやい! かっこいい! 私、やってみていいですか?」


「おう、構わんぞ」


 エミリアは俺の真似をするように構え、抜刀してみるが上手くいかなかった。


「あれえ……??」


「ははは、力を入れてはいかん。力を入れると剣が奔らなくなってしまうぞ」


 そしてもう一度やり直すと少し良くなった。


「そうだ、そういう感じだ」


 エミリアは少しコツを掴んだか、僅かに笑みを浮かべるとすぐに繰り返し始めた。


 こういう時にはあれこれ口を出さずにやらせた方が良い。俺は少し離れた場所で腰掛けエミリアの修練を見守った。


 するとカラスが近くに寄ってきて俺の身体をつついた。


「痛い痛い、よさないか……分かった分かった腹が減ったのだな」


 クラヴィアのやつが空腹に絶えかねて怒っているらしい。俺は朝ご飯の残りをケルナに貰っておいたので、そいつを与えてやるとガツガツと食っている。

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