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魔法遣いローテアウゼンのキセキ  作者: 福山 晃
第六章 黒金の城(シュタールシュロス)
201/305

高貴なる青④

 ロッタの作ってくれた黄身が半熟のゆで卵が美味くて三個も食べてしまった。


 ロッタが言うには一個を食べ終えてからまだ欲しそうな顔をしていた俺が子犬のように見えたという。


 そんな俺を見かねて残っていた卵をすぐに湯がいてくれたのだった。


 不本意ではあるが卵は美味かったのでよしとしよう。


 そうして出発した俺たちは昼過ぎには街道からニールブリンクへと入る道の入り口まで到着し、そこから丘を二つほど超え、夕方早くにはニールブリンクへと到着した。


 交易はあまり活発では無いという話だったが門は開かれており城壁の中へと入る関所へ馬車を着けた。


 馬車を停めると五人ばかりぞろぞろとやってきて馬車を囲む。


「ここはニールブリンクだ、何の用があって来た?」


 思いがけず高圧的な態度の番人に驚くが、ロッタがすぐに対処をはじめる。


「無礼者! 我が名はローテアウゼン、五百年ぶりの凱旋じゃ!」


 ロッタがそう言うと番人たちは顔を見合わせ困惑している。そのうちの二人が詰め所の中に入っていき、一番偉そうなやつが困惑を露わにした表情で「少々お待ちを」とだけ告げた。


 苛ついた態度を押し隠しながら待つ番人と俺たちの間で不安そうに俺の方を見やるフリューゲに「よーしよし、大丈夫だ」と声をかけてやる。


 しばらく待っていると詰め所から番人が走って戻ってきて偉そうなやつに耳打ちをする。


「ローテアウゼン様、お待たせして申し訳ありません。お帰りなさいませ、どうぞお通り下さい」


 偉そうな番人はそう言うと頭を下げて道を空ける。


 俺はフリューゲに鞭を入れて関所をくぐった。

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