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魔法遣いローテアウゼンのキセキ  作者: 福山 晃
第五章 黒い森のクロエ
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クロエの選択①

 ロッタはなにやら調べ物があると言って俺たちを残して出かけてしまった。


 ブルナークは自分の宿に戻り槍を取ってくると出て行った。一人になった俺はとりあえず街へ出て情報収集をすることにした。


 ラインブルクの街は大きい、どこを見ても人で溢れている。


 ひとまず広場に出て、たくさん並ぶ露店商の前で適当に人を掴まえて聞いてみることにした。


「ちょっとすまん、旅の者だがいくつか聞きたいことがあるのだが少しいいだろうか……?」


「おう、何だい兄ちゃん」


「うむ……今度の満月に生贄を立てると聞いたのだがそれはいつ……」


「はあ? 生贄? この街でか?」


「なんでも蛇神の怒りを鎮めるとかで……」


「……いやあ知らないなあ……その話ほんとかい?」


 何人掴まえて聞こうともこんな有様で、あまりしつこく尋ねると機嫌を損ねてしまい怒鳴られることもあった。


「……困ったな、こりゃあ騎士団に乗り込んだほうが早いかもしれんな」


 そんなことを考えているとブルナークが戻ってきた。


 やつは息を切らせながら槍と荷物の入った袋を背負って走ってきた。


「こんな所にいたか……ぜえぜえ……探したぜ……はあはあ」


「なんだ槍を取りに行っただけじゃないのか」


 俺がそう問うとやつはにやりと笑う。


「タケゾーと同じ宿に引っ越そうと思ってな」


「そうか……」


 ブルナークはどうやらすっかり俺たちと一緒に蛇神の討伐をやる気のようだ。


「どうだタケゾー、何か分かったのか?」


 ブルナークはそう言って俺を見るがこれといった情報はなかった。


「それがな……」


 と俺が言いかけたところで聞き覚えのある女の声が背後から聞こえる。


「あらあら」


 俺たちが同時に振り返るとそこにはクロエがいた。

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