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魔法遣いローテアウゼンのキセキ  作者: 福山 晃
第四章 決戦! スツーカ砦
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求婚④

 トラウベは一通りの調査を終え、調査を共にしたメローネとラバを交えて協議をした。

 これにより大凡の目処が立ったらしく町の長たちを呼んだ。


 呼ばれた長たちはすぐにやって来た。一緒にやってきた護衛の自警団の中にはケルナもいた。

 ちょうど俺の近くを通ったので、声をかける。


「もういいのか? 無理はするなよ」


 と俺が言うとケルナはぺこりと頭を下げた。


「大丈夫です、ありがとうございます」


 それだけ言うとケルナは長についてトラウベらのいるほうへと歩いて行った。


 町の長たちを迎えるとトラウベは調査の結果を説明した。


「……これらのことから毎日施術を重ねていっても完全に復旧するにはおおよそ二年かかると思われます」


 トラウベの報告に長たちはしばらく黙ったままだった。

 農耕担当のガスパーがぽつりと言った。


「……そんなにひどいのか……?」


 トラウベは迷うことなく答える。


「はい、放っておけば元の植生になるわけではありません。植物にも適性や力関係があります。元の植生に早く戻すには人の手を介入してやる必要があります。ですからこの二年という予想は我々が毎日魔法の施術を行い、最短でもそれくらいかかるというものです……」


 町の長たちはまた黙り込んでしまった。

 トラウベはさらに付け加えて報告を続ける。


「その間、私たちの滞在をお許し願えるならば間違いなく二年後には復旧させてご覧にいれます」


 町の長たちはいくつか言葉を交わすと皆それぞれに頷いた。そして長はこう告げた。


「ならば其方達の住居を用意しよう。そして復旧に必要な人員、農夫も話し合って可能な限り組織することとしよう」


 トラウベの顔が明るくなった。


「我々の滞在を許可いただけるのですか……?」


 長は頷いた。


「早く復旧してもらい棉花の栽培を滞らせる訳にはいかんでな。生産量はなるべく落とさず復旧を続ける」


 トラウベは横にいてずっと補佐をするメローネを見た。


「メローネさん」


 トラウベの問いにメローネは帳面を開いたままに答える。


「……何かしら?」


「どうですか? これから二年、やれそうですか?」


 メローネは再び帳面に視線を落とす。


「そうね……私の予想でも二年くらいでいけるんじゃないかしらね」


 トラウベは何かを決心するように頷いた。


「でしたらメローネさん……」


 メローネは何も言わず怪訝な顔をトラウベに向ける。


「……何か……?」


「私の妻となり、ここで復旧作業を続けていきましょう」


「…………は?」


 メローネの目は点のようになりぽかんと開いた口を閉めるのを忘れている。


 そしてその場にいた者たち皆がトラウベとメローネ、この二人を呆気にとられて見つめていた。

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