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魔法遣いローテアウゼンのキセキ  作者: 福山 晃
第四章 決戦! スツーカ砦
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爆ぜよ、タケゾウ⑦

 やつは……ブルナークは今度はなかなか動かなかった。慎重にこちらを覗っている。

 睨み合っていても埒があかない、俺はじりじりと間合いを詰めていく。やつは俺が詰めると詰めた分退いて槍の間合いを保とうとする。それでも抜刀し、斬り込んだ。

 応じる槍をはね除けぐいぐいと間合いを詰める。やつは槍の柄を短く持って応戦するが、それは俺の思うつぼ。短く持てば手元が長くなり素早く振るうことが出来なくなってくる。何度か受け太刀を繰り返すと機が訪れる。

 俺はまんまと懐に潜り込み、肉迫してやつにまとわりつくように斬撃を繰り返す。しかしやつもなかなかにしぶとく凌ぐ。

 これは……そう、あの時のケルナの戦い方だ。俺の剣の間合いの内側に潜り込みまとわりついてきたケルナの戦法。あの時はかろうじて勝ちはしたが、俺もまだまだ学ぶことが多い。

 ブルナークの動きにはもうまるで冴えがなく俺の斬撃に応じるのが精一杯のようだ。かなりの近間であるがゆえ、俺も存分に剣を振るうことは出来ないが槍とまともにやり合えばどうしても剣の間合いでは不利だ。


「どうした? 攻めが甘いぞブルナーク」

「はっ! 言うねえタケゾー……しかし、これはちょっと手強いね……」


 互いに激しく打ち合うがいまだ致命となる斬撃は与えられない。やつはどうにか間合いを取ろうとするが、俺は執拗に纏わり付いて逃がさない。

 しびれを切らしたブルナークは槍を十文字に構えて突き出した。さしずめ槍でこしらえた盾のようだ、俺は隙間を狙って薙ぎ払うが二本の槍に剣を絡め取られてしまった。


「かかったな、タケゾー!」


 ブルナークは叫び、俺の剣をそのまま押さえ込んで右手の槍で俺を狙った。

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