魔獣師…餌付けする
『よし!! 食堂に行くぞ!!』
そう言うとルゥを引き連れスタスタと食堂に向かって行く
((((アイツらだけにするの心配……))))
『俺達も行くぞ!!』
丁度、昼時なこともあり、あの状況のシリウスを野放しにするのは何とも不安な為、皆で同行する事にした。
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『おばちゃーん!! いつものとコイツが食えそうなもの』
セルフスタイルの食堂の注文口で例のごとくクラウスを掲げ上げ差し出すシリウス
『はぁ……?』
目の前に幼子登場に固まるおばちゃん
『だからーコイツが食えそうもの!!』
早くしてと言わんばかりのシリウス
『シリウス副隊長!? ……その子は!?』
絶賛困惑中のおばちゃん
『俺の息子のクラウスだ!!』
何故かドヤ顔のシリウス
『シリウス副隊長……独身よね……?そんな事より……人に興味あったのね……恋人いたのね』
ブツブツと考え込むおばちゃん
『なー! おばちゃん!! クラウスが腹減ってるだよ!! 早く!!』
少々、イライラ気味のシリウスさん
『あ!! ごめんなさいねぇ……坊や何が好き?』
色んな疑問はとりあえず置いといて職務に復帰したおばちゃん……プロフェッショナル!!
『えーちょ!! おいちーの!!』
両手を上げ答えるクラウス
『・・・ ・・・』
プロフェッショナルなおばちゃん撃沈
そこに、
『すまないね……パムさん! 悪いが子供が好きそうモノを適当に見繕ってくれないかい?』
シリウスを追って来たデービス達が登場
『シリウス、運んでやるか先に席に行ってろ!!』
食堂には他の部隊の隊員もいる。これ以上の混乱を避ける為、席に行く様に促すデービス
『おっさん!! サンキュー』
シリウスは席へと向かった
『よーし!! ここで良いな!! ルゥ!! お前も此処で良いだろ?』
『バゥ!!』
窓側にテーブルが空いていたので席に着きルゥは足元に伏せる
因みに本来なら魔獣は城内の敵襲でもない限り立ち入り禁止だが、ルゥは例外的に認められている。
衛生面にしてもルゥは食堂などでは自分で魔術を掛けてるので毛などが舞う心配も無い
『ほれ、シリウスお前の日替わり定食』
『お! おっさんサンキューな!!』
『ルゥの生肉はこっちな』
『バゥ』
『こっちが、クラウスのな』
一つの皿に少しづづ色々なモノが乗った特性のお子様プレート
『ほわぁー!! あーちゃます』
食事に興奮しながもペコっと可愛くお礼するクラウス
『ちゃんとお礼出来て偉いぞクラウス!! 流石!! 俺の息子だ!!』
と親バカ発言中のシリウスをよそに
(((((((シリウス副隊長の子がまともだと!!!!!!
そして……シリウス副隊長が親バカだなんて……))))))
食堂内にいる普段のシリウスを知る者からすれば信じられない光景のため他の部隊の隊員達は衝撃を受けていた
魔術部隊の面々も揃い皆で
『『『『いただいきまーす!!』』』
と手を合わせ食事を始めれば
クラウスも真似して
『いちゃーきまーしゅ!!』
手を合わせ食事を始めようとするが、なんとクラウスは素手でそのままダイレクトアタックを仕掛けようとしていた。
『『『『まっった!!!』』』
一斉に止めに入ると
『ふぇ……とーたん』
半泣き状態になるクラウス
『手だと危ないからな!! 今日は父さんが食べさせてやるからな!! ほれ!! アーン』
半泣き状態のクラウスの口にシリウスが運んでやる
『あーん……モグモグモグ……おいちぃ……』
キラキラおメメのクラウス
口の中のモノが無くなれば『あーん』と口を開け、するとシリウスが運んでやるを
なんとも微笑まし光景だが
((((((シリウス(副隊長)がすると餌付けしてる様にしか見えない……)))))
二人以外の食堂中の人間の心が一つになった