魔術師…作戦会議
国王、アランと話し合った結果、観光を装っての極秘調査をする事になった。
コーリアス共和国とスルジア王国とは国交があり市民カードの提示で比較的簡単に入国できる
市民カードとはスルジア王国では魔力を読み取り個人を識別できる魔道具の一種で国より与えられる。
従獣として魔獣も登録でき、多くの国で登録済みの魔獣のみ登録者と一緒であれば市街地などにも入れる。
生き物には多かれ少なかれ多少なりとも皆、魔力がありその魔力は個によって微妙に違う、優れた魔術を扱う者には、その僅かな違いでい生き物を感知する。それと同じ原理の魔道具だ。
クラウスを置いて行く気の無いシリウス
それを逆手に取って、観光を装っての入国だ。国外にもシリウスの立場は知られている為、監視が付く可能性が高い
だが、子連れで[観光]をしている姿をあえて監視者に見せる事で、監視の目を欺き易くする作戦だ
事前調査、準備をして三日後に出発する事になった
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国王との謁見を終え、シリウスはグレイ家の本邸に戻る
マリアからコーリアス共和国の事情を詳しく聞く必要がある為だった
トントントン
庭に面した客間の扉をノックするシリウス
『はい』
クラウスを抱き抱えたマリアが扉を開ける
『とーたん』
『クラウスも此処に居たのか』
クラウスを撫でてやる
『マリア、話しが有るんだがいいか?』
『どうぞ』
『部屋に不便は無いか?』
『はい! ラミーがお庭を気に入ってしまって……近いこの部屋を用意して頂き、その上お庭にラミーの寝床まで作って頂いて……』
庭を見ると庭にはラミーが寝床で寛ぐ姿があった
庭に面した開かれた窓から『ラミー、寝床は気に入ったか?』と話し掛ければ
ヒョイっと首を伸ばし窓枠に顔を乗せると
『シリウス〜僕、ここ好きだ〜』
尾を振りながら答えるラミー
『良かったな』
ラミーを撫でてやれば心地良いと言った顔になる
メイドにより窓際のテーブルセットにお茶が用意され椅子に腰を掛けるシリウスとマリア、クラウスはまたラミーと遊び始めルゥは保護者の様に見守る
『三日後、調査の為にコーリアス共和国に行く事になった。表向きは観光を装う事になるが……
その為にもコーリアス共和国に付いて詳しく聞きたいだが』
マリア曰く……
コーリアス共和国とは小国ではあるが魔獣の保護、育成が盛んで保護施設は一般にも公開させておりコーリアス共和国の観光資源になっている
君主はおらずギルド、軍の幹部の会議により国家主席が選ばれる軍事国家
マリアが知る限り、市民が虐げれる事も無く平和な国だと思っていた……
あんな事を目撃するまで軍に所属している事を誇らしく思っていたから
市民を守る名誉ある仕事だと……
それから、マリアから実験を目撃した施設の詳しい場所、表向きの観光に向いている場所などを聞いてこの日はお開きとなった




