魔術師…話し合う
『母さん……マリアとラミーの事、任せて良いか?』
黙って、お茶を飲みながら様子を見守っていたマリアにシリウスが一頭と一人の世話を頼む
『クラウス! 俺は王城に戻るがお前はどうする?』
ラミーと遊んでいるクラウス
『うーん……らみーちゃみちい?らみーのあーたんは?』
クラウスはクラウスなりにラミーとマリアを心配している様で……
『僕は大丈夫だぞ!! ここのお家は美味しいお肉くれたから良い所だぞ!! 』
庭の芝生でゴロゴロと転がりながら、すっかりリラックスしているラミー
『クラウス様、私は大丈夫ですよ!!』
顔面蒼白でとても大丈夫に見えないマリア
すると、クラウスはトテトテとマリアの所へ行き
『らみーのあーたん……だっこちてくだしゃい』
両手を上げマリアに抱っこをねだり、マリアは困った顔のままクラウスを抱き上げる
マリアの膝にちょこんと座ると
『とーたん! ぼく、らみーのあーたんといるー』
シリウスの思いがマリアに伝わりマリアは膝の上に座るクラウスを優しく抱きしめる
『そうか!! クラウス、マリアとラミーを頼んだぞ!!』
それはもう良い笑顔のシリウスがクラウスの頭をワシワシと優しく撫でる
(!!!!!)
真っ赤に頬を染めるマリア
そんなマリアの様子をシリウス以外の大人達はニタニタと面白がるが、シリウスは息子に夢中で気付かずにいる
『ルゥ! 行くぞ』
シリウスはルゥに跨り、王城に戻るため駆け出した
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コンコンコンコン
シリウスは王城に戻るとすぐさま、国王の執務室へ
『入れ』
『魔獣部隊シリウス入ります』
入室の許可が下り、ルゥを引き連れ執務室へ入る
『待っておったぞ』
国王と国王の横には、シリウスより後に出たはずのアランが既にいた。
アランの騎獣は隼の魔獣で移動に特化した魔獣。スピードだけならルゥの何倍も早い
応接セットへ移動した三人と一匹
『アランから話しは聞いたが……魔獣を実験台にか……』
コーリアス共和国は小国ではあるが、魔獣の飼育、保護に盛んな国で騎獣部隊も優秀と有名な国だ
『調べる必要があるな……』
国王の表情が険しくなる
『ですが……公には難しいですね』
国王とアランがシリウスに視線を向ける
『魔獣の為なら……』
魔獣絡みに為、いつになくヤル気のシリウス
それから三人は夜遅くまでコーリアス共和国の調査の段取りを話しあった




