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魔獣師…出勤する

『おはよう』

『おはよーじゃいます』

シリウスとクラウスは魔獣部隊の部隊棟へと揃って出勤する


部隊棟とは各部隊へ与えられ専用の建物で、住み込みの隊員の居室や隊長・副隊長の事務室、会議や休憩などに使う大部屋や地下には倉庫などがある


そこには何故か隊員が勢揃いしており

『なんでだ? 今日は何でこんなにいるんだ?』

シリウスが素直な感想を漏らせば


(((((イヤイヤイヤ……)))))


隊員達が何とも言えない顔になる




『あ……うん。今朝は大事な連絡事項があり、皆に集まって貰った……』

慣れてはいるがシリウスのこの感じには頭痛を覚えるデービス


『大事な連絡事項なんて有ったか? 俺、聞いてないぞ!』

仕事……魔獣に関しては真面目なシリウスが少し怒った様にデービスに聞き返す


『・・・・・・』(マジか……コイツ、素で言ってやがるのか?)


((((・・・・・・))))(副隊長……この人本当……)



『『『『『『『『クラウスの事だよ(ですよ)!!!!!』』』』』』』


今日も魔獣部隊の息はピッタリである



『しゅごーい!! 』

そんな魔獣部隊の面々に手を打ちながら感心するクラウス

そんな、クラウスの様子にシリウスに小言の一つでも言ってやろうと意気込んだ気持ちも剃れる面々



時間が勿体無いので仕方無く気持ちを切り替えるデービス


『えー……今日。皆に集まって貰ったのは昨日、シリウスが魔の森で子供を保護しクラウスと名付け、陛下の承認の上で正式に親子の縁組みをした。

そして、陛下の特別な配慮で、クラウス同行での勤務の許可も降りた

皆、思う所は有るかもしれんが……シリウスもこういう奴だ、協力してやってくれ』

デービスが皆に頭を下げる


『頼む』

流石のシリウスもデービスに続き頭を下げる


(((((シリウス副隊長が……頭を下げ!!!!!)))))

シリウスのレアな姿に驚き



『おねがいちまちゅ!!』

シリウスの真似をしてかクラウスもペコリと頭を下げる



(((((喜んで!!!!!))))

クラウスのその可愛らしい姿に悩殺される魔獣部隊の面々だった





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



集まっていた隊員達もそれぞれの持ち場や帰路につき

シリウスも隊服から作業用のツナギへ着替え終えると今朝、セバスチャンから『クラウスお坊っちゃまのお着替えです』と渡された袋を開ける


中にはいつ用意したのか、クラウスサイズのツナギと麦わら帽子に長靴が入っていた。シリウスは嫌な予感がして魔術感知の魔術を展開してみる

・魔術結界

・物理結界

・温度調整

・回復

・汚れ防止

・転倒防止

・虫除け

全てに高度な魔術式が組み込まれおり、防衛力だけなら王族が着る物と大差ない仕上がりである



グレイ家の使用人の本気の仕事である



グレイ家は他の貴族と比べると少数精鋭である。類は友を呼ぶとは良く言ったもので、主人達が変わり者なら仕える側も変わり者揃い、そして揃いも揃ってハイスペック


まぁ……魔の森に面した領地の家に自ら志願して勤める様な人間、ハイスペックで変わり者しか集まる訳がないのだが


過保護仕様なツナギに若干、顔を引攣らせながらクラウスを着替えさせるシリウス


(俺……信用無いのか……?)

実は使用人達に信用させて無いんじゃないかと心配になる





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