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魔獣師…起床する

日が昇り始めてまだ、周囲が薄暗い時間に出勤のため、起きるシリウス

シリウスが起きて支度を整え終えた頃



『おはよーごじゃいましゅ!!』


昨晩のことはすっかり忘れた様でスッキリした顔で起きるクラウス


『おはよう、さあ!! 朝食だ!!』


『ごはん!!』

シリウスの朝食の言葉を聞いて即座にルゥに跨り、準備万端と言いたげな顔のクラウス


『着替えてからだ!!』

呆れた様な笑顔のシリウスがクラウスの頭を撫でながら注意する



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

グレイ家の朝は早く慌ただしく、メリンダは日が昇り始めた頃には簡単に朝食を済ませ、魔獣達の世話を始めている。


ファビウスもメリンダの朝の準備を手伝ってから自分の出勤時間まで書斎で書類のチェックをしており、

朝食食の時間は滅多に揃わない


朝食は二人だけの為、少し残念そうなシリウスだが出された朝食に目を輝かせ、食べ進める。


今日の朝食はセバスチャンが料理人に指示しフォークに刺しやすいメニューで尚且つ一口サイズに可愛くカットされており、セバスチャンに子供用の握りやすいフォークを渡せたクラウスはちゃんとフォークを使い食べ進める(たまに手を使ってしまうが、セバスチャンがさり気なく拭いているが……)


『ごちちょーちゃま!!』

自分で食べ終えたクラウス


『じゃあ!! 行くか!!』

出勤の時間になったシリウスが食卓を立つ



『とーたん……』

シリウスが出掛けるのが分かり寂しさから泣きそうな顔になるクラウス



『なんて顔してんだ! 陛下には許可取った、お前も一緒に行くぞ!』



シリウスは縁組みに許可を貰う際、国王にクラウスを連れての勤務の許可を取り付けていた


普通なら幼子同伴の出勤など認められるはず無いが、シリウスの実力、クラウスの魔獣との相性から例外的に認められた。


何より、認め無いとシリウスが『じゃあ辞める』と言い出しかねない上に辞めたシリウスに魔獣達が多数、付いて行きかねない……


付いて行った魔獣達を喜んで受け容れるメリンダ


『儂も辞める』と言って魔獣達と戯れるファビウスの姿を想像して、国王は即座に許可し、自ら根回しまでした。



無駄に領地が広く、その領地はグレイ家しか治めるのが難しい


魔の森は魔素が多い為、魔獣は勿論だが稀に魔物化する魔獣……そして魔物が多く出現する



魔物、その存在の成り立ちははっきりは解明されていないが、 何らかの理由で魔力が汚染された場所や生き物から現れると考えられている。汚染された魔力を纏い、破壊衝動や食欲などの本能で生き物を襲いそして、魔素や魔力の多い場所、生き物へ向かう傾向が強い。

発見次第、軍や冒険者ギルドによって駆除されてはいるが魔物の被害は後を経たない。



そして、稀に魔力を多く保有する生き物が強い負の感情に呑まれ魔物化する場合がある。

過去には人間の魔物化した例もある

魔獣や人間が強い負の感情に呑まれた場合、早い段階なら最上位の聖の浄化の魔術で魔物化の進行を止める事が出来る場合がある、完全に魔物化を止めるには心の闇を払ってやる必要があり、


上位魔獣が魔物化した場合、その被害は計り知れないものとなる。魔物化した上位魔獣を止められるのも、魔獣化を止めら無くやむなく駆除する事になった場合もグレイ家以上の適任の人材は他に無い。


魔の森に面する領地などグレイ家以外の貴族は治められないし治めたくもないのだ



グレイ家の人間は出世を金にも興味が無いのはスルジア王国内では周知の事実であり(興味は無いが無理矢理、出世させられがちではあるが……)

私欲の為にその権力を使う事が無いのでグレイ家の我儘は容認されやすい





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