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魔獣…相棒との出逢いを思い返す②


目を覚ますと、そこは知らない物だらけの場所だった。


今でこそ馴れ親しんだが人間の住処には最初、本当に驚いた!!


驚き過ぎてパニックになり部屋を走り回り色んな物を壊し最終的にベッドの下に逃げ込みガタガタと震えていた。


その間子供は暴れる俺を捕まえるでも無く黙って見ていた。

そして、俺がベッドの下へ逃げ込むと、部屋の物を全て魔空間に仕舞い最後にベッドを仕舞うと同時にふかふかの白い毛布を俺に被せた


『ベッドの下は色々大変だから、隠れるならそれにしとけな』

子供のそんな声が聞こえてきたが、俺は怖くて怖くて仕方がなっかた


毛布の中で丸まりながら、母や父の様に殺されるんだと思い震えていた。けれど、いくら経っても子供の気配は有るのに何もして来ないので、少しだけ落ち着きを取り戻し自分の身体に痛みが無い事に気付いた。


自分の身体を見回すと傷一つ無かったのだ。意識を失う前の記憶が蘇る


(殺そうとしたんじゃないのか……?)


子供が魔術を展開したので殺される思い憎くて憎くて大暴れした…死ぬんだと思い最後の足掻きに……


なのに、俺は死んで無い……それどころか身体中、傷だらけのはずなのに全部治っていた。


俺は恐る恐る、毛布から頭を出してみた、子供は壁を背もたれにして本を読んでいた


『おっ!! 出でくる気になったか?』

俺に気づき声をかけてくる


子供からは襲って来た人間達から感じた嫌な感じは無かった


子供はが魔空間から何やら取り出し、それを俺に近付ける。

俺は驚き子供の手に思わず噛み付いた、すると子供の手が俺の頭に迫る、俺は殴られると思い身体を丸めた。


『おい! 腹減ってるなら俺の手じゃなくコレを食え!! グレイ家のスペシャルブレンドの飯だぞ!!』

優しいく明るい子供の声と優しく温かい手が俺の頭を撫でた



顔を上げるとそこには何とも食欲を誘う美味そうな匂いのするモノが皿に乗っていた。


『食っていいぞ!!』

子供の声


俺は恐怖心は残るものの……本能に負け、皿の中に入る勢いでガツガツ食べていた



腹が満たされ、改めて子供見る


『おれはシリウスって言うんだよろしくなチビ助』

そう言って子供……シリウスは俺の頭を撫でた


シリウスからは心地良い魔力を感じる、けれどやっぱり人間は憎い存在で……怖い存在で……

シリウスの

手を受け入れるのが怖くて俺は試す様にシリウスに噛み付く

『大丈夫だ…大丈夫だぞ!! チビ助!!』

痛いはずなのにシリウスは笑顔を崩さなかった




それから何日も俺はこんな事を繰り返した


人間への恐怖心や憎しみをシリウスにぶつけた、暴れ回り、噛み付き、引っ掻きシリウスを傷つけた。

シリウスはそんな俺に怒る事も無く、かと言って見離す訳でも無く、時には血を流しても自分で魔術で傷を治しいつまでも俺に付き合い続けた。



そんな事を続けていたある日

『なあ……チビ助……そんなに、人間が憎いか……?信じられないか……』

シリウスが悲しそうにこんな事を聞いて来た


『ガゥ……』


『俺の命……お前に預けても……信じられないか……?まあ……俺もお前の命を預かる事になるが…』


『ガゥ?』



『魂の契約って知ってるか?』


『ガゥ?』


『魂を結ぶ契約だ!! 魂レベルで俺とチビ助を繋ぐ契約で、分かり易く言うと、お互いの魔力や属性、言葉なんかも共有出来るそんな契約だ!! 但し、俺が死んだらお前も死ぬし、お前が死んだら俺も死ぬ、死ぬまでずーっと一緒に生きる契約だ!!』


幼かった俺はこの何とも横暴で傲慢なこの契約にシリウスの優しさを感じそして信じる事が出来たんだ


俺達はこの日魂の契約を交わした

ずーっと一緒に生き、死ぬ時は共に死ぬ、そして共に強くなろうと誓ったんだ








クラウスを魔の森で見つけた時、俺はクラウスと幼い頃の自分を重ね、放って置けなかった




今でも、人間を特別好きな訳では無いが人間が全て襲ってきた奴らみたいじゃ無いとも知った

シリウス以外にもグレイ家や魔獣部隊の人間は守ってやりたいとも思ってる


俺の知ってる人間ならクラウスを連れ帰れば何とかなると思ったんだ!!



今、俺の背中ではしゃぐクラウスを見てると俺の判断は間違ってなかったと確信している






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