魔獣師…買い物にでる
国王との謁見を終え、着いて来ようとするファビウスを止め(主にアランが鬼畜な笑顔で大量な仕事を振り)魔獣の飼育スペースの詰所まで戻って来た。
『戻った。』 『ちゃーいま!!』 『バゥ』
ファビウスの暴走を抑えるのに疲れ顔のシリウス
ファビウスに遊んで貰いご機嫌なクラウス&ルゥ、クラウスはルゥに跨っている
『シリウス副隊長、お帰りなさい』
トーマスが待っていた
『クラウスとルゥはご機嫌ですね』
『あぁ……陛下の所に親父がいた……』
『道理でお疲れの顔ですね……ファビウス相談役の姿浮かびます……クラウス、お祖父様とは遊べましたか?』
『あい!! じーたんとあちょんだ!! るーにぃたんもいちょ!!』
『それは良かったですね!! 副隊長、どうしますか?少し休んでから行きますか?』
『いや! 大丈夫だ。 クラウスが休む時間もあるし行こう!!」
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城下町の商業地区へやって来た三人と一匹
クラウスはルゥの上でキョロキョロと初めて見る街並み楽しそうに見ている
『最初は服にしましょう』
トーマスは子供服の店の前に来ると足を止める
『おう』
シリウスはトーマスの後に続き店に入る
『いらしゃい!! トーマスさんと……シリウス副隊長?』
シリウスの来店に驚きながら、店主が迎える
国王軍の隊長、副隊長ともなれば城下の人達にも顔を知られる存在だ
『この子の服を買いに来た』
店主の驚きをスルーしルゥの上クラウスを指しながら目的でけを伝える
『シリウス副隊長のお子様ですか……?』
(シリウス副隊長って子供がいたんだ……白狼様だ……)
『そうだ!!』
『そうですかぁ……お子様のサイズですとこちらになります!!』
『うん!! じゃあ……全部!!』
当然の様に言うシリウス
『副隊長!! 全部は多いです!! 幼児はすぐに大きくなるので!!俺もウチの子のお古持って来ますし!!
五着程で充分ですよ!!』
お金にも物にも無頓着な癖に稼ぎの有るシリウス、子供服の買い占めなど容易い、デービスがトーマスを着いて行かせたのも、こういった事態を見据えてだ
常識人トーマスがシリウスのナチュラルな暴走をとめる
『コレと、コレにコレなんかも可愛いですよ』
トーマスが色々、見繕って見せる
『いいな!クラウスは何か欲しいのはあるか?』
ちゃんとクラウスにも聞いてやるシリウス
『とーたん!! ありぇ!!』
キラキラした瞳で指を指すクラウス、指した指の先にはフアフアとしカラフルな生地で作られた動物や魔獣の着ぐるみタイプの子供用パジャマが有った。
『だったら、クラウス!いくつか選べ』
そう言われると、シリウスは白い狼と黒い竜そして…真っ赤なライオンのパジャマを選ぶと嬉しそうに
『るーにたんと、のあじーたん……こりぇ!! もりであちゃ、まっかにゃな、らいおんしゃん』
自分の知っている魔獣に似ているパジャマを見つけ嬉しそうなクラウス
『クラウス……お前……森で赤いライオンに会ったのか?』
真剣な表情になるシリウス
『あかいらいおんしゃん!! あちゃ!! ぺろんしゃれました!! ほっぺ』
シリウスには赤いライオンに心当たりが二頭いる
一頭は子供の頃からたまに魔の森で会う、真っ赤な獅子の魔獣、 セキ
もう、一頭はハーデス帝国の魔獣部隊隊長の従獣も又、赤い獅子の魔獣と聞く
『そうだったんだな!』
(今度、セキに会った時にでも聞いてみるか)
魔獣との出会いに恐れるでも無いクラウスの様子に少々、不思議に思う所は有ったがクラウスの魔力性質を思い出し今は取り敢えず納得した
(納得しちゃって大丈夫か?)
トーマスは帰ったらデービスに報告しようと心に決めた




