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魔獣師…偉い人に報告する

『とーたん……』

お皿の食事が半分程無くなった頃、クラウスがもじもじとし始める


『なんだトイレか?』


『おといれぇ……ちがうのぉ……おにゃかいっぱいなにょ……』

全部食べきれなっか事が申し訳ないのか、申し訳なさそうな顔でシリウスを見上げる


『ほら!! クラウス!! さっき約束しただろ!! 思った事はちゃんと言うって!! ちゃんと言えたんだそんな顔する必要ないだろ! 偉いぞ!! ちゃんと言えたな!!』

嬉しそうにクラウスの頭を撫でるシリウス


『へへー!! とーたん!! おにゃかいぱーいねぇー』

シリウスに抱きつきクラウスの胸にスリスリと頬ずりする


『とーたん……ねむいの……』

満腹と安心で眠くなったようで


『眠いのか、寝て良いぞ……』

眠そうなクラウスの背中をトントンと優しく叩く


スゥースゥー

すぐに寝息を立て始める




『なーシリウス……お前ちゃんと陛下やお父上に報告するんだぞ!! それに、クラウスの物なんか色々、用意してやらないとな』

色々、抜けてるシリウスが心配なデービス


『報告しなきゃダメか?』

面倒くさそうに答えるシリウス


『ダメに決まっているだろ!! 陛下の許可無しには養子には出来んだろうが……お前一応……貴族だろう』


『じゃあ……この後、行ってくるわ』

後回しにした、自分の食事をクラウスを抱きながら器用に進めながら軽く答える


((((陛下への謁見すら……ちょっとそこまで行ってくるなノリかよー)))

聞いてる人間が何故かドキドキしている


『報告が終わったらトーマスにでも付き合ってもらって買い出しに行って来い!!』

トーマスは中堅の隊員で三人の子持ち、温厚で真面目な人柄で隊員達からの信頼も厚い隊員だ



『まあ……色々、必要ですしね。副隊長が良ければ、俺の子のお古、色々持ってきますよ。

勿論、買い物もお付き合いしますし。』

気遣いの人トーマス


『おう!! トーマス頼むな!!』

食事をしっかり食べ終えると


『じゃあちょっと行って来る』

ルゥを引き連れ、クラウスを抱えたままチョットそこまでなノリで出掛けて行った


『俺、付いて行くべきか……嫌……俺、謁見の申し込みもしないで陛下に謁見なんて無理……』

シリウスクオリティーの非常識さと自分自身の常識との間で葛藤するデービス


『無理だ……』

常識人は常識の壁を越えることが出来ず……テーブルに突っ伏した





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





コンコンコンコン

国王の執務室に着くと何の躊躇も無く扉を叩くシリウス


『入れ』

流石のシリウスも入室の許可を待ち


『魔獣部隊シリウス入ります』

ちゃんと名乗って入室した



『おー! シリウスど……どーした!!』

幼子を抱えての入室に国王、ビックリ


『陛下、息子にした』

入室まではちゃんとしてたのに……国王にすらシリウスクオリティー


『おう!! じゃあ!! 儂の孫じゃのう!!』

国王の驚きをスルーして初老の男性がシリウス達に近付きスヤスヤ眠るクラウスを覗き込む


『親父……居たのか……』

若干嫌そうな顔のシリウス


『かわいいの〜』

クラウスの寝顔にデレデレの初老の男性


『ファビウス……』

初老の男性に呼びかける国王


『・・・』

国王ガン無視のファビウスと呼ばれる男性


『グレイ郷!!』

ちょっぴり悲しい国王


『なんじゃ陛下……儂……孫を愛でるのに忙しいじゃが!!』

この、シリウスに輪をかけてフリーダムな初老の男性は…


ファビウス・グレイ侯爵……この人はシリウスの父親。魔の森に面した領地を持ち、シリウスには劣るが五本の指に入る程の魔力保持者で彼もまた魔獣に好かれる魔力を持ち彼も魔獣を好んだ。


元々、数代前の魔獣部隊長だったが彼の全盛期に大きな戦争が起き、魔獣の力を引いても彼の戦闘力は国王軍一であれよあれよと武功を上げた。


そして、嫌がるファビウスに勲章を押し付け、あの手この手拝み倒し国王軍の総隊長にし当時、辺境伯だったファビウスが断固拒否するのをどうにか丸め込み侯爵にしたのが現国王



そもそも、グレイ家のこの気質は代々、受け継がれたもので、

建国前の戦争で幾つもの武功を挙げた先祖は公爵を叙爵されるも拒否。そもそも貴族になる事を拒否していたが…魔の森に面した領地に負け渋々、辺境伯を受け入れた



一線を退いて相談役とし国王の側近となった今も、正直…早く隠居して領地に有る、年老いた魔獣や傷付いや魔獣などを保護している施設で魔獣と戯れて暮らしたいファビウスは隠居させてくれない国王にちょっぴり、意地悪である





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