宗美のキャラ
「あれが、黄昏の流星の異名の由来か。すごいな、さすが俺の飼い主だ」
全員がサジタリウスリーダーにみとれているうちに、接敵する両者、サジタリウスリーダーは螺旋状に回転移動しながら持っていたリニアライフルで射撃する。
一見無茶苦茶に打ってるように見えるが、弾一発一発が吸い込まれるように敵のコックピットへ当たる。
サジタリウスリーダーが通ったあとは花火の如く敵機の爆発の光がきらめいた。
「かっけぇ……」
「あれは、インフィニットサイクロン!間違いない。あれに乗っているのは成瀬宗美だ」
インフィニットサイクロンとは、初代サジタリウスによって戦場でのカッコよさと殲滅力を追求し続けて作られた、無駄に高い操縦技術と機体性能をフルに活用した無駄に完成度の高い無駄な技だ。
「あんな酔狂な技を使うなんてサジタリウスしかありえない!」
「あんたサジタリウスをディスってんの?」
あれ程いた敵機は既に数えるほどしか残っていない。
残った敵機もすぐに殲滅させられた。
その強さ、圧倒的である。
「さて、我らが頂点を出迎えようか」
◇◆◇
司令室に入ってきたのは二人だった。
片方は成瀬宗美、もう片方は背の低い男で長い髪で片目を隠している。
司令室のドアが開いて人がいたことに一瞬驚く二人だが成瀬が笑い口を開く。
「あらヤダー、ゲイルじゃなーい。もしかしてみんな来ちゃったのかしらー」
(え?)
ピシッと司令室の空気が凍りつく。
成瀬の喋り方は、見た目とは違う性別の喋り方だ。意表を突かれたのか、クラスメイトたちはゲイルを含めて誰も一言も発しない。
「んー?どうしたのかしら?キューちゃん、みんなどうしたのかわかる?」
キューちゃんと呼ばれたもう一人が少し背を伸ばして成瀬の肩に手を置きながら言う。
「認識改変ってやつだろ。この前言ってたじゃないか、忘れてたのか?」
「ふふっ、忘れてたわ〜。あたしってばうっかりさんね」
(((オネエだ……)))
クラスメイトたちが思ったことはこれだけだった。
さすがサジタリウスリーダー、想像の斜め上をゆく。