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銃剣魔弾の精霊王  作者: 白羽彼方
三章「精霊王」
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歴史史上最大の親子喧嘩


 父さんの顔に火傷が付いた瞬間体の拘束が解かれました。

 ここまで知り合った人たちを傷つけてしまうとは自分が情けない。

 ふと二人と久城院さんを見た。

 三人とも負傷しているように見える。

 それだけでこの人を倒すという意思は強まった。

「反抗的な目だ。親の願望に手を貸さないとは親不孝の娘だ。」

「だったらなぜ私以外の人たちを殺そうとした。理由にならない。」

「お前には不要な人物だろう? こんな奴らは。」

 話が通じない。もうこの人はなんとかしないとのレベルを超えている。

 私は懐にあるオーバルアークを取り出し構えた。

「そんな軌道が読みやすいオーバルアークで何ができる。」

「確かにこれでは何もできない。それでも私は・・・守る。友達を、親友を、必要なら世界までも。たとえ腕がもがれ足を切りとられ頭を砕かれ心臓を貫かれようとも守りぬくんだ!」

 私は決意を言葉にした。絶対なる決意。迷う事無い私自身の呪い。

「仲間を助けるため今こそその力を解放せよ・・・・・・カラドボルグ!」

 銃が変形していく。内に秘めた最強の形になっていく。

 私の手には銃ではなく銃剣が握られていた。

 切ることも撃つこともできるトリッキーにしてあらゆる攻撃が可能な武器。

 人を傷つけることにしか意味のない知らない私最強の武具。

「そんな武器見たことがないぞ。」

「この世界でもまだ発明されていない武具ですから。私が史上初ですよ。私たちの知らない別世界では既に作られているかもしれませんがね。」

「だかそれで私に勝つことができるのか?」

「言ったでしょう。私は皆を守るためならどれだけ傷ついてもいい。誰でも倒す。なんでも壊す。私がどれだけ非難にされようとも。」

「その決意は真実というのか。はっ、いいだろう。お前のその決意を打ち砕いてやる。」

 父さん・・・・・・いえマクスウェルは自らの手に次元をかたどったような建が握られる。

 伝承通りならあれはエターナルソードと呼ばれる剣。

 人類が作ることのできない最強の剣と言われているマクスウェルの名刀。

 だがそれがどうしたと私は音速を超えるスピードで懐に忍び込む。

 しかし音速を超えるスピードで近づいてもまだ足りなかった。

 もう刃がこちらに向かっていたのです。瞬間私は刃と反対方向に飛び体制を整える。

 常識は通用しないのはわかっていたけどこれはもう地球外生命体です。

 この攻防を何度も繰り返していった。人外でないものには音だけが聞こえている。

「早すぎてなんだかわからない。」

「黙っていなさい。いま治療中だから。」

「圧倒的な力・・・・・・マクスウェルVSマクスウェルってとこかしら。」

「学園長生きていたんですか?」

「人を勝手に殺さないでくれる。言っとくけどあの鳥さんの攻撃はほとんどガードしていたわよ。ちょっと脳に負荷かけすぎて倒れただけ。」

「ゲシュタルトでしたっけ? 本当に応用が聞きますね。」

「ゲシュタルトは相手の思考を完全コントロールする他に簡単な事象の改竄が能力。目の前で起きている圧倒的人物との戦い以外では私の能力は最強よ。」

「こうやって最強が増えていくということか・・・・・・設定中万歳。」

「「設定中言うな!」」

 あっちは楽しそうですね。

「よそ見している暇などないぞ。」

 しまったと思う頃には遅く蹴りをモロにくらって吹っ飛ぶ。こんなところで凡ミスしてしまうとは。体が壁にぶつかり口から血が吹き出る。

こりゃぁ肋骨何本かいきましたね。瀕死の状況です。

「もう動けないのか? それで終わりなのか?」

「まだですよ。私に宿る4の属性よ。古の誓約のもとに今ここに開放せり。」

 髪の色は赤に染まり背中には緑のマント、腕には青いガントレットに足には土のレギンスが装着された。この前の風の力だけだった時と違い完全開放モード。

私自身何が起こるかわからない。

「四大精霊より預けられた精霊の武具と力か。どうやらさらに楽しませてくれるようだ。」

「行くぞ。マクスウェル。今度こそ全てをかけてあなたを倒す。」

今度はどちらも動き鍔迫り合いの形となる。

鍔迫り合いに決着が着きそうにないと思った私はヒット&ウェイ戦法を取った。

相手もそう考えたのか双方動き回る結果になった。

音速で動き回る私たちの戦いは周りに被害を与えていく。

地は削れていき木々は倒れる。何年も戦ったあとのような場所になっていた。

「こんのぉ!」

 ガキン

「甘い。」

 ガキン

「まだまだです。」

「ちぃ。」

 ガキン

徐々にお互いが疲れてきたのか切り傷が増えていく。

この戦い精神力の尽きた方が負けでしょう。

「なぜだ。お前が人間にここまでする義理はないはずだ。」

「私は人間として育ってきた。今更私が精霊と人間のハーフですって言われて納得できるはずがない。私は人間として育ってきて思った。人は善と悪はあったとしても心からの悪人の方が少ないと。精霊も同じで心から悪人は少ない。あなたと違って。」

「ぐぅ。この私が押され始めているだと? しかし人間はエゴの塊だ。」

「その通りですよ。人間はエゴの塊です。でもエゴ自体がなくなったら守るものすらなくなってしまう。私はエゴを持つことがそんなに悪いこととは思えない。」

「完全なる食い違い。平行線上の討論だな。」

「絶対にそりが合わない父親というのも珍しいですよ・・・っと。」

「しまった。」

 私の銃剣がマクスウェルの腕を切断。体と腕が分かれる。

 この一太刀が決定的に勝負を決める一撃になった。

 マクスウェルは崩れ完全に地面に倒れこむ。腕を切られたのに血が出ないのは精霊だからでしょう。私は体を足で押さえつけながら頭に銃口を向ける。

 この引き金を引けば私は親を殺した殺人犯です。

「まさか私が負けるとは想像もつかなかったぞ。」

「あなたは私の大切なものを奪おうとした。それが敗北理由です。」

「はっ、優しい理由だな。本当に・・・反吐が出る。」

 私はきっとこの人のことを一生理解できないでしょう。

 理解しようとも思いませんが。

「最後に言い残す言葉は何かありますか?」

「それなら一つ・・・プレゼントだ!」

 マクスウェルは瀕死の体で急に立ち上がり私の頭を鷲掴みする。

 その手のひらから情報が流れてきた。

 この門を起動する方法。世界を繋げる方法。

 元の世界に戻るための方法の情報です。それと作り方と本人の知識も・・・でもこれって。

「それは私に勝ったご褒美だ。私の叡智の結晶。使うかどうかはお前次第だ。」

マクスウェルの体が他の精霊同様眩い光に包まれていく。

 精霊としての絶命が近いのでしょう。

「いつか終わりが来ると思っていたが結構早かったな。」

「・・・私も最後に聞いてもいいですか?」

「どうした・・・・・・今消えゆくこの私に何が聞きたい。」

 私が聞きたいのはこの膨大の私の知識の中に埋もれていた彼の記憶のこと。

 もしこれが本当だったのだとしたら・・・。

「あなたは・・・・・・母さんを愛していたの?」

「ああ、愛していた。世界で一番愛しい女性だったよ。」

 ふと愛しいものを見るかのように私の頬に触れてきた。

「お前は・・・メリアと同じ顔をしている。もう一度この顔に会えたことを感謝します。」

 皮肉ですがこの時この男は笑った。まるで大事なものを見るように。

 瞬間パァンと大きな音を立てて光の粒となった。

 最後に父親らしいこと言って・・・最後の最後に私に愛をくれたのですか。

「不器用すぎますよ。父さん。」

 しかし干渉に浸っている暇などない。仲間を助けなければ。

「何が起きたのって・・・・・・これはひどい状態ね。なぜ精霊門が?」

ちょうどよかったです。シエルがきました。

でもこの教師一体どこにほっつき歩いていたのでしょう。

 気になりますが今は気にしてはいけません。お酒の匂いもしません。

「これは精霊門ではありませんよ。それよりここにいる人たちの治療をお願いします。」

「わかった。あなたは治療の魔法は、治療の術は使えるの?」

「風と水の治癒術が使えます。」

「そう、それとあなたの目の前にある宝玉三つはなんなのかしら。」

 言われて気づく四大が封印された宝玉が転がっていた。

 イフリートさん。ウンディーネさん。ノームの宝玉。

 私は急いで宝玉を手に取る。ありがとう三人とも。いつか助けるから。

 ・・・とりあえず懐に宝玉は入れておきますかねぇ。

 シリアスが数秒で吹っ飛びました。

「・・・・・・なんでもないのなら治療を始めるわよ。」

「はい、お願いします。」

 私は氷零さんを担当することになった。

 剣鬼は久城院さんに押さえつけられながら治療を受けている。

「大丈夫ですか? 痛くないですよね。」

「大丈夫。ただ傷口に染みているだけ。それとユエの方が傷だらけじゃない。」

「私はいいのです。もう怪我なんて見えないでしょう。」

「・・・・・・本当とかどこのオカルトなの。」

 私の傷はもう何もなかったかのようになくなっていた。

 私が精霊の王であるマクスウェルの娘で同じ力を持っているとするならばこの傷の回復は当然のことだと推測できる。ありえないほどの回復力は父親譲りだったというわけです。

 もちろん致命傷を受ければ回復は遅い上に死至る危険性はあります。

「それでその武器・・・・・・変形したままだけどいいの?」

「しまった。」

 なんとも締まらないまま手当を施していくのでした。


次回『次元門を通る条件』

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