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銃剣魔弾の精霊王  作者: 白羽彼方
三章「精霊王」
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決勝戦前夜


 最初の試合からかなりの時間がすぎて深夜1時。

 良い子の通常学生はお帰りの時間です。

 それだというのにこの・・・・・・・。

『テンション上がってきたぜぇぇぇ! 皆楽しんでいるかい!』

『『『『いえぇええぇぇぇええぇぇええぇぇい!』』』』

 このテンションの上がりよう・・・・・・ついていけません。

 もちろん周りは学生で未成年なのでお酒は飲んでおりませんが場の力とはすごい。

 場酔いというのは確かにあるみたいです。

 ある程度は私もテンションが上がっているのがその証拠。

「とはいえ、なんですかこの珍妙な儀式会場は!」

「サバト。闇魔術の儀式って行って欲しいにゃぁ!」

 また新キャラですか・・・・・・一体どれだけ増やそうというのでしょう。

 リアル猫耳と尻尾を付け黒いマント(頭ごと覆えるタイプ)の獣人がいました。

 きっとそのうち悪の集団とか組織とかも出てきてしまうのでは?

「言っときますけどね。サバトというにはちょっと明るすぎますよ。」

「気分的問題。私がサバトだと思えばサバトにゃぁ。」

 なんて自分勝手な理論。でも正論ですので言い返せません。

「それはそうと明日・・・・・・いえ今日の試合では私たちと組みませんかにゃぁ?」

「・・・・・・もしかしてあなた2年Bクラスの子猫さんですか?」

「そうだにゃぁ。明日の試合で当たるとはいえSクラスに勝つには他のクラスの協力が不可欠なのにゃぁ。Sクラスは常識で考えたらダメ、非常識で考えるにゃぁ。」

 戦力差が歴然ということですか。

 確かAクラス全員でかかっても一人倒せるかどうかでしたね。

 個人差があるにしてもSクラストップは異常すぎるとのことを資料で確認もしてある。

「今年は一年S組が勝ち上がりましたね。それとこのクラスこの学校創設以来の最強のクラスと噂もされている。」

「イエスにゃぁ。その最強チームに対抗するべく仲間を集めているのですにゃぁ。」

 私たちを含めて三クラスでかからなければ勝てない。

それもわかっているのですが何か腑に落ちないのです。

それはそのはずSクラスを倒したあとの話を全くしていないのですから。

この人は私たちを捨て駒にするつもりなのです。そういうことなのですが面白い。

命をかけない逆境はどんとこいです。

「笑顔が不気味だにゃぁ。何か隠していそうな嫌な笑。」

「それは失礼。それでは明日一緒に戦いましょう。位置はわかっていますよね。」

「もちろん。事前通告がされているにゃぁ。」

 お互いに自クラスの配置を伝え合う。

 なるほど。これまた能力で区域が別れているようです。

 東エリアが私たちのクラス。南エリアが2年B組の初期位置。

「東とはなかなかに高待遇うだにゃぁ。総合能力も申し分ないし。」

「それでは私はもう少ししたあと寝ます。暴れまわっているあのおふた方を連れて。」

「保護者も大変だにゃぁ。また明日。」

 猫娘はスキップして鼻歌歌いながら去っていきました。

 やっと解放されたと後ろに倒れると学園長こと久城院さんが私を見下ろしていました。

 持ちのロン驚きました。それもこの人が唐突に現れれば当たり前です。

「ふふふ・・・・・・やはり勝ち上がりましたか。期待通りです。」

「獲物を見るようなハンターの目はやめてくれませんか。」

 絶対に逃がさないと言わんばかりの密猟者の目です。

 目がギラギラしている。

「この時ばかりは同じクラスでなかったことを嬉しく思うわ。」

 私はこのお嬢様を敵に回したくなかったです。

 ため息をつくと聞きなれぬ声が聞こえてきました。

 数としては二人。女性と男性の二人組のようですね。

「久城院。おまえまた勝手にこんな場所まで・・・・・・誰だ、コイツ?」

「噂になっている編入生じゃないかな。この子力をできるだけ抑えようとしているし。」

 男の方も女子の方も顔もわかっているし体型も資料通り。

 このごつい体を持つのが神童(しんどう)(えい)。そしてその隣の黒髪美人が奏上(そうじょう)()由良(ゆら)

 まさに久城院さんとこの二人を入れたメンバーが明日戦う最強の敵達。

 それにしてもそんなにわかりやすいでしょうか? 

私的には漏らしてないぐらいに抑えているのですがそれはそう思っていただけだった。

そういうことですか。

「ちなみに神童さんは女です」

 うそぉ。

「顔に出しているとこ悪いが俺たちぐらいにしか見えていないだろう。」

「そうね。あなたは私たちの目から見ても完璧に押さえ込んでいるから心配しないで。」

そうですか・・・・・・ということは特に問題はないけど力の強いものには見えてしまうと。

それと完璧に抑えているはずだと言われれば改善もなにもありません。

人間それが限界ということでしょう。

「そんなことよりもだ! お前が例の編入生なら俺を楽しませてくれそうじゃねぇか。」

「永君の悪い癖だよね。いつも『強いものは強いものに惹かれるんだぜ。』と口癖のように言っているしもう病的だよね。」

「喧嘩は買えるうちに買う。売られるうちに売るが俺のモットーだからな。」

 なんてモットーでしょうか。まさに迷惑ここに極まれりというものです。

「そうですか。楽しませられるかどうかはわかりませんが努力はしましょう。」

「へっ。そうこなくちゃぁ面白くないな。」

「ではまた明日・・・・・・って何この地震。」

 グラグラと地面が揺れる。この揺れ、何かの前兆であることには違いない。

 しばらくして地震の影響がなかったかのようにはしゃぐ声が聞こえてきた。

「ふぅ。震度は4くらいか?」

「いえ、震度は2。縦揺れであるからそう感じただけでしょう。」

「さすが土の属性使えるだけあるね。クーちゃんも学んだほうがいいのでは?」

「それは関係ないわよ。まぁいいわ。祭りが終わるのは十時よ。」

「あや、心また読まれちまったか。まだ楽しみ足りねぇ。」

 今の状況下であなたの場合言動の前に顔でわかるとはなぜか言いにくかった。

 なぜだか最近感じていた不安よりも格段にやばい気がしてならない。

「それじゃ。また今日に全力でぶつかり合おうね。」

「俺との戦いを忘れるんじゃねぇぞ。」

「私も楽しみにしているわ・・・・・・ふふふ。」

 三人が去って行ったあとに不安を感じながらもその場で眠るのだった。


次回『始まりの洞窟』

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