僕の物語 はずせない仮面
映画が好きでよく観るけれど、主人公は様々な体験を通して何かを感じ、学び、成長していき、自分だけの物語を紡いでいく。
現実でもきっとそうなのだろう。
僕はずっと何かになりたかった。理想の自分、理想の生活。
けれども、叶うことはなくて自分の人生が無意味に思えた。
人の物語が、綺麗に見えるようになって、自分は羨むようになった。
どうすれば思い出が作れるのか、どうすれば幸せになれるのか、そんなことを考えながら自分を変えようとした。
人の物語は様々な体験を通して、しっかり紡がれている。
僕も懸命に様々な体験をしてきたけれど、何故だろう。何も書かれていない。
残っていない。
自分の物語のページが真っ白。いや、真っ黒ともいえるのか。
今は何故なのか少し分かる。僕は運命とか信じたくはないけれど、人は自分以外になれなくて、それ以上でもそれ以下でもない存在。
その持って生まれたものから解離してはならない。
桜は桜、薔薇は薔薇、ひまわりはひまわり。
僕は自分を変えてきたつもりが、いくつもの仮面をかぶって、偽の物語を紡いできただけだった。
仮面をつけすぎて、何が自分の顔なのだろう?
仮面をつけすぎた月日が長くて、離れがたくなっているのだろうか?
もし、僕が誰に見せる訳でもない、自分の本当の物語を紡いだなら、日々の空しさは変わるのだろうか?何より仮面を脱ぐことはできるだろうか?
そして、この物語はどこへ行くのだろうか?




