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クローバー
昔、私はとある約束をした。クローバーに願いを込めて……
「ねぇ、弥生ちゃん、わたし大きくなったらまたこの町に戻って来るよ。だから弥生ちゃんはわたしのこと忘れないでね。」
あの日、美奈ちゃんはなにも告げずにこの町をさっていったんだ。この町をどうして美奈ちゃんがさっていったのかわたしはわからないけど、わたしは美奈ちゃんが最後に残した約束を信じて待っていようって決めたんだ。
時は流れてわたしは18歳になった。親や先生はわたしの学力にあった県外の大学に行くように勧められたけど、わたしは美奈ちゃんとの約束を忘れられなくて地元の大学に進学した。でも、大学在学中に美奈ちゃんは現れなかった。
更に時が流れてわたしが39歳の時、当時のわたしと美奈ちゃんと同じ年齢の娘がいる。そんなある日、玄関のチャイムがなった。そこには懐かしい……。