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一期一会 第二部  作者: ヤルターフ
第三編 予兆
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英雄との邂逅 9

 途端、オメガの横で叫び声がした。振り向けばユウが合成怪獣に捕らえられているではないか! そうして合成怪獣はユウを抱えて舞台へと上がっていってしまう。


「ユウちゃん!」


 オメガがすくと椅子から立ち上がり、プティを伴ってすぐさまユウを追いかけていく。その勢いに任せて素破すわと舞台に飛び上がり、舞台の上で指差しつつ第一声を放った。


「パトロンネル、ユウちゃんを放せ!」

「ぐははは! 力ずくでやってみるんだな」

「よおし……、プティ!」


 その掛け声と共にプティがひらり怪獣目掛けて突進し、ぐるぐると顔前を旋回した。


「うお! なんだこれは?」


 気づけば怪獣の周りにはプティだけでなく、五、六匹のわんわんおが旋回していて、ために怪獣はユウを手放してしまう。その隙にオメガはユウを助けることが出来た。多少の想定外ではあったが、シナリオが修正されたと見たレイカがつかつかと近寄ってオメガに尋ねた。


「少年、名はなんという?」

「オメガです」

「勇敢なるオメガ君に任務を与える。お嬢さんを安全な場所までエスコートするように」

「かしこまりました!」


 と、オメガが敬礼してきびきびとユウを連れて元の席に戻る。それを見届けたレイカが会場に轟けと大音声、


「諸君! 今こそワオレンジャーを呼ぶ時である。私の指揮の下に大声で叫ぶのだ。いくぞ、せー……、のっ!」

「ワオレンジャー!」

「声が小さい! せーのっ……」

「ワオレンジャー!」


 会場の子供達が喉も裂けよとばかり魂を震わせて叫ぶと、ドンッ! という爆破音とともに舞台は白煙に包まれた。そしてもう々たる煙がたなびく中に、あのあかつきの五戦士が勇壮な音楽とともに出現した!


 ワオレンジャーの勇姿を見たちびっ子達は瞳を輝かせて狂叫した。ワオピンクの可憐な攻撃にパトロニアンの手下共は腰砕けになり、ワオイエローのバズーカが火を噴いては子供達も真似し、ワオブルーとワオグリーンの華麗なる演舞に御婦人方は黄色い声援を送る。そしてトドメとばかりにワオレッドの真必殺技、アルティメットミラージュアタックが決まり、合成怪獣は爆発音と共に粉砕された。会場は興奮の坩堝るつぼと化し、観客は皆総立ちで拍手している。喝采が鳴り止もうとしていた時、よくテレビ放送で聞く通信音が会場に響いた。避難していた先程の通信兵がレイカの側に寄り、耳打ちをする。その直後にレイカが思わせぶりに話し出した。


「信じられないかも知れないが、たった今、総司令から入電があった」


 おお! という、どよめきのあとにレイカが続ける。


「諸君達は実に運がいい、心して聞くように。回線開け」


 レイカが命令すると巨大モニターにT.S.F総司令官の姿が映し出された。とは言っても、テレビでたまに登場する総司令はいつも後ろ姿か、映っても顔は隠されていて、この場合も同じである。机を前にして椅子に座り、T.S.Fの制服を纏った左胸に大十字勲章を付けた総司令官が口を開いた。

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