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『もう目障りだ。この女との婚約は破棄する。クラリスを追放せよ。』


『そんな!フレデリック様、どうして!』


『お前に飽きた。ただそれだけの話だ。そのように口うるさいから、俺に愛想をつかされるのだぞ。』


フレデリックは悲しみに震えるクラリスをあざけるように一瞥した後、隣の女と肩を寄せ合い、その場を後にした。

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「あ~!フレデリックの奴本当にクソだわ。クラリスがかわいそうじゃない!あんなに尽くしてきたのに!こんな奴が第一皇子だなんてこの国終わりね!」


私の名前は月詠夢(つくよみゆめ)。いたって普通の会社員。


そんな私の趣味の一つが、残業終わりに読むケータイ小説。


特に最近のお気に入りは、『ストッパー聖女な私、無能暴君に追放される(笑)~私が消えたらこの国は終わりですがそれでもいいんですね?~』


ストーリー自体は、主人公(ヒロイン)の婚約者(王子)が浮気→問い詰める→逆ギレor嘲笑されて婚約破棄&国外追放といった感じのいたってありふれたもの。


主人公のクラリスは公爵令嬢。


遺伝的に魔力量が激しすぎるあまり病弱になりがちな王族を支える役割を持つ聖女の家系の出身者で、本人も魔法学院を首席で卒業するレベルの超優秀な魔法の才能を持つ。


ただその婚約者、フレデリックがもうマジですがすがしいまでのクズなんだよね。


第一皇子という立場を笠に着て女に現を抜かすわ炎以外の魔法の才能がないことを指摘されたらその人を焼き殺すとか。もうパワハラセクハラモラハラの3ハラ上等な奴。


日々のイライラをコイツ一人にぶつけることができるから逆にストレス発散になっている。


結論から言うと、普通にその国は滅びます。そしてクラリスは旅の途中で助けた村人たちと平穏に暮らすというハッピーエンド。


そんな感じでもう30周はしている。


「早くアニメ化してくれないかな~!」


あの清楚なクラリスちゃんがどんな姿になるのか見てみたい!


原作のイラストも綺麗だったし!


ベッドにダイブすると、衝撃でスマホの画面が変わり、時間が表示された。


「えっ、もう2時なの!?」


明日は急に社長訪問がある~とか課長が言ってたんだよな。


勘弁してよもう。


しかも新卒の子は研修終えてなくて使えないし。


「テンキーってなんすか?」だからね?


ワープロを知らないのはともかく、テンキーを知らないのは本当に社会人としてまずいと思うんですが。


やっぱり所詮はお金のため。


自分を取り繕ってだしたES(エントリーシート)なんて7割が嘘っぱち。


まあ人手不足なのは今に始まったことじゃないしお金目当てなのは私もそうだから否定はしない。


でもせめてWordとExcel、PowerPointは使えるようになっといてよ!


「最悪。また仕事のこと考えちゃった。」


……いっそのこと、物語の世界に飛べないかな、なんて。


あそこはあそこで大変そうだけれど、一日18時間も仕事に持ってかれるよりかは断然マシなはず!


「……って、なにバカなこと考えてるんだろ。」


もちろんそんなことが叶わないのはわかってる。


わかってるんだけど!


妄想するのは自由だよね!


そうして心が安定したせいだろう。


私の意識はそっと夢の世界に入っていった。




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