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千紫万紅  作者: リゾット
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僕と義妹と家族会議と


 この僕、雄漂木悠輔にとって、家族と呼べる人間は現在3人いる。

 まあお隣の櫻井家の人たちは僕にとっては家族同然の仲ではあるが、しかしここにいう『家族』とは、戸籍上、法律上、家族関係にあると認められる人間を指す。

 3人。

 まずは僕の父。雄漂木遼一。男手一つで僕を育ててくれたという点で僕は父を尊敬している。だがいい年こいてアニメキャラの裸がプリントされた抱き枕抱いて寝るのはどうかと個人的に思う。まあ個人的趣味に口を出すほど野暮なことはしないけど、洗濯して干すときご近所に恥を晒すことになるのはどうにかならないものか。

 ……まあ、僕の父の恥部についてはあまり多くは語るまい。肝心なのは、その父がつい最近、めでたく再婚を果たしたという点だ。それもべらぼーに別嬪な金髪外人のおねーさんである。

 名を、エリカさんという。つまるところ、僕の義理の母親なわけだ。それまで雄漂木家の家事全般を担っていた僕に代わって、家事をやってくれている。イコール僕の負担が激減ということで、正直なところかなり助かっている。気立てが良くて、良妻賢母という言葉は多分あの人のためにあるんじゃないかな、と最近思うことしきりである。

 で。

 そのエリカさんには実は一人娘がいる。早くに夫を亡くしたエリカさんは、女手一つで娘を育て上げたそうだ。泣ける話である。その一人娘というのが、今は僕の義理の妹にあたる存在なわけだ。

 雄漂木凛々おひるぎりりえ。それが今の彼女の名前だ。

 日本人とドイツ人のハーフということで、目鼻立ちがくっきりしている。名前のとおり、どこか凛々しさすら感じさせるような美しさを備えていて、とても僕の一つ下、高校一年生とは思えぬ美貌の持ち主だ。母親譲りの金髪と青い眼がますます彼女を日本人離れさせているが、実際のところ、日本生まれの日本育ち。日本語ペラペラで、ぶっちゃけ純ジャパの僕とかより上手なんじゃなかろうか。

 母子家庭で育った凛々恵は、奨学金を貰ってとある名門女子校に通っていた。だがうちの父とエリカさんが結婚して雄漂木家にやってくるにあたり、高校は僕の通う普通の公立校に入学したのだ。入試での成績はトップクラスだったと聞いている。誰に対しても丁寧語で喋る習慣があるらしく、誰に対しても物腰が穏やかで、今時なかなかいないレディの素質をも兼ね備える。才色兼備ってやつだ。その割には僕のことを呼び捨てにするのだが、まあ親愛の証と受け取ろう。いずれ「お兄ちゃん」に変わるはずだし。

 最初の頃は僕と凛々恵の間には距離感というか、壁のようなものもあったのだが、今ではそれも無くなって打ち解けた関係になっている。一緒にテレビ見たり、リビングで他愛もない雑談に話を咲かせたり、お互いの過去話で盛り上がったり。実に良好な関係を築いているのだ(もっとも、この間一緒にお風呂に入ろうとしたら流石に殴られたのだが)。

 とはいえ、打ち解けすぎるのも問題なもので。

 最近、凛々恵の警戒意識というものが薄れてきている。

 無防備なのだ。

 最初の頃は年頃の異性が一つ屋根の下ということで凛々恵も警戒感を露わにしていたのだが、最近ではそれがなくなってきている。そのせいか、家の中での露出度が上昇傾向なのだ。具体的に言うと、たまに胸の谷間とか、パンツとか見えたりする。

 僕に気を許してくれるのはとてもいいことだ。だが、あけっぴろげすぎるのはいけない。

 もっとも。

 僕は、雄漂木悠輔という人間は、紳士の中の紳士としてご近所でも有名なくらいにジェントルマンな男である。まかり間違っても義理の妹に劣情を催すということは断固としてありえないのであり、よって何かの間違いも起こり得ない。確率的に0というやつだ。いかなる偶然が奇跡的に運命の悪戯によって重なり合おうとも、その事象だけは発生する可能性は未来永劫皆無にして絶無であることを、僕は今ここに宣誓したい。

 ……ところで、まあ今までの話とは全く関係ない、流れをぶった切るようなことを言わせて貰うのだが。

 最近、僕の部屋に金髪巨乳もののエロ本が急激に増えたんだけど、何故だろうか?



またお久しぶりになってしまいましたすみません。

更新を待ってくださる方にはひたすらお礼を……。


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