④
「これがアードラー……」
見た目は巨大化した鷲のようだ。この大きさの魔物が他にもいると思うとこの治癒魔法は最強の魔法なんだと改めて知る。
「このアードラーはどうするのですか?」
「ここで解体して食用肉と牙や爪を分けてギルドに持ち帰って報酬金をもらうってわけだ」
「そうなんですね」
アドラーの解体は団長、副団長がやるらしく終わるまではやることはないみたい。
私も休めば治癒の魔法は回復をする。
解体が終わってさっきまでいたアードラーの姿がどこにもない。私はキョロキョロしているとクラフトさんが教えてくれた。
「解体したアードラーはこのボックスアイテムに入れてある」
「そうなんですね」
確かに私が持っているアイテムボックスの形と似ている。
「エリールさん、ここからまだ歩くが大丈夫ですか?」
サジェスさんに微笑みながら言われた。
「はい、大丈夫です。まだ、歩けます」
私の言葉を聞いてからはみなさんが私のペースに合わせて歩いてくれている。
いろんな話をしながら歩いていて、気がつけば空の色がオレンジ色に染まっていた。
「よし、今日はここで休もう」
団長さんの言葉に私は内心どうしようか悩んだ。
それは、夜に食べる木の実を集めてないこと。
「今日はアードラーのお肉だ。エリールも一緒に食うぞ!」
「えっ?」
私は団長さんの声に驚きを隠せなかった。
「あの、私も一緒にいいのですか?」
「当たり前だ!下手したら部下が死んで居たかもしれないし、こうしてアードラーを倒すことができたんだ。エリールのおかげで誰ひとり死なずに無事だったんだ」
ここまで真剣に言われることに恥ずかしさもあるが、私がしたことは人の命を救ったことになる。
「ありがとうございます。ご一緒させていただきます!」
部下のみなさんがアードラーのお肉を調理している間に私はクラフトさんに話しかけられた。