③
「エリール、一緒にギルドに行くか?」
「いいのですか⁉︎でも、騎士団のみなさんに迷惑なんじゃ」
「全然迷惑じゃないさ。そしてまだここらへんは大物な魔物がいるからエリールの治癒魔法が必要なんだ」
私の魔法でシュロムの皆さんが助かるのであれば私も嬉しい。
「わかりました。よろしくお願いします」
「よし、また森の中へと入ってさっき倒し損ねたアードラーを倒しに行くぞ!」
「エリール、あなたは木陰に隠れててください。怪我人が出たら私があなたの所までテレポートをしますので」
すごい、サジェスさんはテレポートが使えるんだ。
「わかりました」
シュロムのみんなの後をついていく。森の奥の道は険しくて足元に気をつけておかないとケガをしてしまう。
「よし、ついたぞ。さっきと同じ作戦で行く。アードラーにはくれぐれも接近はするなよ」
「はい!」
私はサジェスさんに言われた通り木陰に身を隠す。
団長の後を追うようにシュロムの皆さんはアードラーと闘う。
アードラーとの戦いは思ったよりも抗戦中。何度も怪我を負っては私が手当てをする繰り返しだ。
「エリール、終わったぞ!」
木陰に身を潜めている私の前に団長のクラフトさんがきてくれて教えてくれた。
「よかった……」
よかったと思うことよりもみなさんの怪我が酷い。
「みなさん、すぐに治しますね!」
まずは団長さんから傷を治していく。顔中にかすり傷があって、腕、お腹、足と少し深い傷を負っている。
ひとりひとりみなさんの傷が綺麗に治って、ふと顔を上げた私の目線の先に倒されて横たわっているアードラーを初めてみる。