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⑥
木々の間から見える景色がキラキラとしている。
「あっ、街がある!」
空を見上げると、いろんな見たことのない大きな鳥が気持ちよく飛んでいる。
私は地面に降りてここからどうするかを考えることにした。
街があるってことは何かホワイトタイガーの情報とかがあるのかもしれない。
「とりあえず、街に行ってみよう!」
街が見えた方向に私は歩いていく。
ひたすら歩いて木に登って……歩いて木に登ってを繰り返す。
かれこれ一時間以上は歩いて木に登っているけれど、誰一人とも会わないし、声も聞こえない。
「もしかして、迷子になっちゃった?」
でも、そんなことはない。木に登って方向確認をしながら歩いているし。
「思ってる以上に街までの道が長いのかな?」
地図を広げてみても今、いるところからは街まで近そうに見えるのだ。
「人にあったら街までの行き方を教えてもらおう」
そして私はまた、ひたすら歩いて木に登って方向を確認をする。
気づけば陽が落ちてすっかり夜になってしまった。
「今日はここまでか」
私はカバンから木の実を取り出して食べる。