④
鑑定は一瞬で終わった。鑑定を終えた木の実の下にお皿が出てきた。
「これは食べてもいいってことだ!さっきブックに書いてあった!」
初めての食べ物は木の実。見た目と色がイチゴに似ている。
「い、いただきます」
食べられるってわかってるけど少し恐怖心がある。ひとくちでパクッと口の中へ入れると恐怖心より美味しさが勝った。
「イチゴの味がして美味しい〜!」
他の木の実の見た目と色はブドウ、マスカット、ミカン。
一個ずつ木の実を食べると思ってた通りの味だった。
「んっ〜!ブドウ、マスカット、ミカンどれも美味しすぎる!」
まだいろんなところに木の実が落ちているのが見える。
「たくさん拾ってアイテムボックスに入れておこう」
美味しい木の実を集めて鑑定にかける。拾った中で五つは食べられないものだった。
「見た目は大丈夫そうなんだけど、腐ってたりしてるのかも……」
お腹が空いた時に少しずつ食べれば明後日まで持ちそうだ。
木の実を食べながら国のセレジィラの地図を見ると一目で広い国だとわかる。
エリールはアイテムボックスからウォーターボトルを取り出して湖のお水をいれた。
ボトルから直接飲む透き通ったお水は身体中に行き染み渡るほどに飲み心地がいい。
「プハァ〜!おいし〜い!」
大きい声を出してしまって誰かに聞かれたら恥ずかしく周りを見渡した。
(だ、誰もいないよね……)
シーンと静まりかえっていて誰もいないことに心を撫で下ろす。
「今日は森の探索をして木の実を拾いにいこうかな」
メイドだけど履き物はと言うとしっかりとした靴。