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第七話 ギルド入会

説明回

その後、試験を終えた僕は倒れ、ギルド長の部屋で看病を受けた。起き上がるまでに五日かかったらしく、起き上がった僕を見てギルド長は泣いた。話を聞くと、チェガーさんに殺意に似たものを感じていて怖かったそう。強かそうとは思ったがそこまでとは、と驚きつつも入会するための手続きをする。

怪我をして起き上がった直後にする事か?


「合格証は?どうなったのですか?」

「おっと、そうだったね。チェガー、持ってきておくれ。」

「…はい」


そう言っていつの間にかドア前に立っていたチェガーさんは部屋から出ていき、すぐさまICカードみたいなやつを持ってくる。強いていえば、印刷もイラストも色さえも何もないまっさらなカードだった。


「よし、メイくん。まず、血を垂らしてくれ。」

「え?」

「…ギルドカードは個人を特定するものだ、その人だと証明できる者が必要なんだ。だから血…と言うか体液ならなんでもいいが、ここで唾液をだすか?」

「いえ、遠慮します…」

「じゃあ血をここに垂らしてくれ。」


指紋の方がいいのではと思うが、そんな技術が難しいであろうこの世界ではなるほど、理にかなっている。いや言うほどか?


「わかりました、血ですね。」

「この針を使ってくれ、ちくっと刺すだけでいい」


そう言って磨かれたようなピカピカの細い針を出す。

(…優しい。)

見た目とは裏腹の優しさに和みつつも血を針で出す。ぷっくりと膨れたその血をギルドカード兼合格証につける。

まっさらなギルドカードが自分の血で汚れたその瞬間、

血はカードが吸いとるように溶けていき、全て溶け終わったらカードが光り輝く。眩しくて目を瞑り、数秒ほど経ったら、そのカードには【メイ】【銀級(シルバークラス)】と文字が書かれ、全体は銀っぽい色になった。


「おめでとう、今日からキミもこのギルドの一員だ!」

「おめでとうございます。」


祝福を受けながらカードを見つめる。そしてチェガーさんが口を開く。お約束の説明だろう。


「メイさん、ギルドについてのおおまかな説明をいたします。」

「あ、はい。おねがいします。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まず初めに、ギルドカードを持っている方は、どんな方でもギルドの一員です。その自覚を持ち、ギルドの評判を下げないような生活を送ってください。

次に、このギルドのランクを説明します。

このギルドには石炭級(コールクラス)銅級(コッパークラス)鉄級(アイアンクラス)銀級(シルバークラス)金級(ゴールドクラス)純金級(ピュアゴールドクラス)白金級(プラチナクラス)金剛級(ダイアモンドクラス)の8つのクラスに分かれ、後ほど説明する依頼をたくさんするほどポイントが貯まり、一定の値に達するとランクアップします。そのランクは、上に行くほどより多くの依頼をこなしているので強いと言うことになります。ブラックフェンリルと遭遇して生存できるのは、前例では白金級(プラチナクラス)以上ですが、あなたはいきなり討伐してしまっています。そんなことをすると、他のギルド会員との衝突が起こることが見込まれるので、銀級(シルバークラス)とさせていただきます。

そして、ギルドでの細々としたことです。

ギルドには登録期間があり、それはクラスによってわかれます。えーっと、メイさんの銀級(シルバークラス)では2年ですね。そして、このギルドカードは身元の証明書にもなる他、これがないとギルドでの依頼や後ほど紹介する施設の利用を受けられませんので気をつけてください。その依頼ですが、一階ホールの掲示板に貼られているものならなんでも出来ます。貼られているものを剥がし、受付まで持っていきます。そこで受注確認をし、依頼をしてもらいます。終わったら、終わったことが確認できるもの…例えば討伐なら、討伐した魔物の部位があれば終了確認ができ、こちらから報酬をお渡しします。なお、自分で依頼をしてもらうように出来ますが、報酬分と手数料でお金を取られますのでご注意を。それに、依頼を受けてから一定期間が開いても終了確認がとれなかった場合は失敗の扱いになり、罰金を取られます。

最後に、このギルドの施設についてです。基本このギルドには宿やレストランがあり、利用してもいいですが、別途お金がかかることもあります。ですが銀級(シルバーランク)以上ともなればいろいろなことが実質的に無料で利用することが可能となります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「以上で説明は終わりです。病み上がりの中きいてくださり、ありがとうございました。」

「今説明したことは、一階ホールに本として置いてあるので、忘れた場合はそれをお読みください。」

「わかりました。では、その宿に10日ほど泊まりたいのですが泊まりたいのですが」

「では1泊銅貨10枚です。」


(…大体、こういう感じのホテルが2万とかだから、かなり安くしてくれているな)

私はギルド長の約束通り、お金を受け取ろうと体を向ける。


「ギルド長、お金」

「…」


(あれ?おかしいな、お金くれるって言ってたのに。)

そのことに気づいたのかチェガーさんも尋ねる。


「ギルド長、お金。渡すのではなかったのですか。」

「ああ、そうだったそうだった。先ほど査定が終わってね、報酬は大金貨10枚だ!」


そんな大金みたいに言われてもいまいちピンとこないので、計算してみる。ざっと計算すると、1日宿泊で銅貨1枚、大金みたいなので、グレード的に十万円札あたりと換算すると百万円。銅貨が最低ラインっぽいので、そう考えると銅貨大体10万枚ほど。宿に1万日、つまり30年ほど泊まれる計算なので、とてつもない大金だ。とはいえ、ここの一年が365日なのかは分からないので、一年かもしれない。


「どうぞ。」

「銀貨999枚のおつりです。」


(いや多いな!)


「2階奥が泊まるスペースです。では、ごゆっくり」


そう言ってチェガーさんは消えた。


「ではギルド長、私もこの辺で。」


そう言ってギルド長室をあとにし、2階に降りる。A113と刻まれているキーホルダー付きの鍵を受け取り、A113号室をさがす。その部屋を見つけ、鍵を開けて中に入り、鍵を閉める。どっと疲れが出てきたようで、風呂にも歯磨きもせずにベットに倒れるように入り、そのまま意識が落ちていった。




瞼の裏に情景が映る…

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