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転生しちゃったTS少女、『聖女の声』を手に入れる。  作者: 白桐
転移した少女、『聖女の声』を手に入れる
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第四十三話 苦渋の何某

試験勉強してました

嘘ですxp上げてました

今すぐにでもここを抜け出したい。そういう心を持ちながら走る。けれどこの身体ではあまり早く走ることも、長い間走り続けることもできない。数秒で息が切れる。酸素の巡っていない身体に鞭を打ったとしても何も変わらない。結局、ゼーハー深呼吸をしながら息を整える必要があるのだ。

(まだ、噴水……!)

十何分時間を使ったとしてもたどり着くことができたのはただの中間地点。否、距離を概算するとまだ半数にも達していないのだ。一刻も早くここを抜け出したいというのに。身体はソレに答えてなどくれない。疲れから足が止まる。膝に手を当て、肩を落とす。一呼吸おいたらまた走り出そう、そう思った。

ふと、視線を前に向けた。向けてしまった。


「帰れ」


誰かもわからない、声の高さすらもわからない、そんな声が聞こえる。しかし、その声は私を追い詰めるには十分、お釣りを必要とするほどであった。


「うっ……お゙ぅ゙え゙っ……」


吐き気がする。あの日逃げ出した自分に。あの日対応を間違えた自分に。何も成し遂げられなかった自分に。誰も彼もが私を責め立てているかのような、そんな気配がする。


「「帰れ」」


今度は二重になって聞こえる。今後のことを思うと、つい足がすくむ。

でも、足を止めてはいけない。理屈でなく本能でそう感じる。


「「「帰れ」」」


更に声が厚くなる。込み上げてくる恐怖が、水となってあちこちから出てくる。えぐえぐと泣きわめきながらも、ふらついている足を一つ、また一つずつ踏み出していく。


「「「「帰れ」」」」


声はまだ聞こえる。どうして?そう感じた。だって

(こんなにも歩いたんだよ?)

眼前にあるのは噴水。噴水?

何度見たって事実はひっくり返ることはない。

これは変わりようのない真実である。

その事実が、私の心を打ち砕く。


「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


「「「「「「「「「「「「「「帰れ」」」」」」」」」」」」」」


逃げられない。私は、また


「待って」


最期に残った正気を使って、ある一つのモノに気づく。

(どうしてこうなった?)

私はなにか彼らにしたのか?彼らは私から何かしらの不利益を被ったのか?

これは誰かしらによって引き起こされたのではないか?

そう考えると辻褄が合う。自分で言うのも何だが、品行方正を地で行っている私が、誰かから恨みつらみを買うことはない……はず。

では誰が?少なくとも私の知らない人だろう。なにせ知り合いが少なく、その知り合いたちも


「「「「「「「「「「「「「「「「「帰れ」」」」」」」」」」」」」」」」


『あ゛ーもううるさい!』


何か、なにか引っかかる。誰だ、私を追い詰めたい人は。

恨みを買うような生活を営んでいたわけではない。慎ましく生きていたはずだ。

ギルド長?いや、あの人がそんなことをするはずがない。だってあの哀しそうな表情を見せてくれたのだから。

チェガーさん?いや、そもそもギルド長以上に接点がない。ギルド長はそもそも妻帯者だ。

じゃあ……リタ?いや、そんなことをするような子ではないと信じる。だって…、だって、

私はあの子の教師だから。

傭兵さん?私を追い詰めたとして、あの人目線では利用価値も何も無いはずだ。

じゃあ誰だ?

いやまて、もしかして……


「…魔王!?」


あり得る。ソレならば、私を追い詰め、人間サイドの人数を減らすことをメリットとすることのできるのは魔王ぐらいだろう。そうか、そうか、そうなのか。

今まで周りが魔王魔王言っていて煩わしかったが、今日からその考えは変わる。


「おのれ、魔王め……!私を殺そうとしていたのか!」


言葉に出して再度この怒りを確認する。となると、私の眼の前を覆っているこの人たちは、魔王側、或いは洗脳された人だろう。

確か、子鬼族(ゴブリン)の襲撃で私が気絶したとき、私ではない別の誰かが殲滅したという。その人も、今の私と同じ気持ちだったのだろう。


「まずはキミたちからだ、」


『死ね』


バタリ、バタリと倒れていく。私を囲っていた人たちは、可哀想な人たちの肉壁が崩壊していく。彼らもそれが二本望だろう。そして、こうして犠牲となった彼らの、私の中にいる誰かの仇討ちを果たそう。


……

………


「え?」


目が覚めると、そこは見知った天井だ。ギルドの宿屋ではない。獣売りの部屋だ。


「いやはや、心的外傷……トラウマを克服する方法が、こうも物騒とは……」


呆れたような顔をしながら笑顔を向けてくるのは、変な言葉遣いの少女、獣売り。


「今のは、もしかして夢?」

「正確に言えば、蜃気楼。でござんす。」


曰く、魔法の蜃気楼が見せるのは[遠く離れているもの]であり、離れているのが距離でなくとも行けるらしい。ならばと、答え合わせを要求する。しかし跳ね除けられる。


「主さんの記憶の中にありんしものだけしか見せられんでありんす。」


とのこと。と、そこで私はある一つの疑問を抱く。


「ねぇ、獣売りの記憶は___


ぱたり


「それ以上は、おいたどころじゃすまんでござりんす。」


ここに来て陰謀論展開

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