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第十八話 印刷までの道のり②

前話の中に入れたかったやつです

長くなりそうだったので別の話として

印刷機を作ってしまってもいいことがわかったので、作ろう!


「…で、作れるとは言えないんだよなぁ…」


私はそう言って設計図の前で唸っている。描いては消して、書いては消してをか繰り返し、もう何回繰り返したのだろう。どれも何かしらのミスが存在しているところがあるのだ。机上論で考えていてもミスがあるので、実際に作ると壊れるかもしれない。そして、僕の性分としても納得のいくものを作ろうと奮闘するも何かが違うのしかできず、自分の無力さに落ち込んでしまう。

…やっぱあの人はすごかったんだなぁ…

頭の中はグーテンベルク凄い、ただそれだけが溢れ出てくる。

とはいえ、他人と比べれば卑屈になっていくだけ、気分を変えて寝よう。

…夜も深い……深すぎるな

いつのまにか月は地平線に近づいていた。


翌朝、私が起きたのは昼前だった。

…あっ

今日はギルド長との話し合いがある事をすっかり忘れていた。急いで鏡の前にいき、準備をしなければと鏡をのぞいたその顔は病人のように青白かった。そういえば、なんだか少し熱っぽい気がする。咳もさっきからやまないし…

…風邪じゃね?

前髪をかき分けておでこを晒す。そこに手を触れると


ジュワッ

「あっっっっっつっっっっっ!!」


そう叫んで手を離す。手を見るとそこにはうっすら火傷の後がついたのが見えた。と同時に頭の中に「?」が浮かぶ。ジュワッ?そんな音を立てて人体が発熱するのか?いや、しない。…というか少なくとも()()()()ではそんなことは起こらなかった。

…これはなんだ?どう言う病気だ?

うんうんと唸っていても何もわからない。なので私はとりあえず…


「ギルド長!約束どうりに来ました!あと熱が出てます!診てください!」

「ハァ…うち(ギルド長室)は病院じゃねぇ。病気の時は病院にいく。知らないのか?」

「しかし、メイさんは病院の場所を知っておられないようですが?」

「うっ…まぁそうだろうな」

『じゃあ、教えてく…』

「わあったわあった!病院の位置を教えてやる。だから今すぐにそれをやめさせろ。」


…なんで声出したらダメなんだろう…いや多分声だからそういうことなんだろなあ…

そう思いつつも私はチェガーさんに連れられて病院まで歩いていく。場所は意外にも近く、ギルドからみて右手側の斜向かいにあった。

外見はギルドとそんなに変わらない感じがするが、色が白色で清潔感があり、ギルドよりかは一回り小さいように思える。

…まあギルドが大きいだけかもしれないけどもね

病院の中に入ると目の前にカウンターがあり、両端には診察室がある。二階三階に続く階段も両端にあるが、多分病室なのだろう。あまり人が寄り付いていない。ギルドからすぐの距離に建っているのでギルド会員が多くいる印象があったがギルド会員特有の奇抜…もとい高性能な装備をしている人が少ないのでそこは少し意外だった。


「あ、メイさん!本日はどうされましたー?」


妙に耳に残る間延びした声。そんな知り合いは私は一人しかいない。…そこにいたのは前に私の事を診てくれたあの人だ。運命的な出会いだが、そんな運命は望んでおらず、なんなら知り合いの医者に短期間で二回お世話になるのは少し気が引ける。


「げぇ!?」

「レディーに向かってそのような発言はいけません。たとえ貴女もレディーであったとしても」

「あぅぅ…はい…」


チェガーさんに怒られたのでやめるが、多分今の自分の顔は相当歪みまくっている事であろう。

…チェガーさんからの視線が痛いよ…


「ああ、普通に風邪だね。薬出しとくので栄養しっかり摂って、よく寝るんだよ。わかったね。」


診察室に入り、診察を一通り受けた後に言われたのはそれだけだった。

…いやこれが()()!?そんなわけあるかい!?

心の中では阿鼻叫喚しているがそれを表に出すとやべー奴なのでやめておく。出店で麦と卵とその他もろもろを買ってギルド内の宿に戻り、質素だけどしっかりとした造りのキッチンでお粥もどきを作り、食べて、薬も飲んで、そのまま寝た。

日々の疲れもあったのでぐっすり眠れたが、すっかり完治したのは5日後だった。

ごめんギルド長。

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