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お前が愛した物語は、お前を愛する事は無いんだろうよ

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

時折出来上がる訳分からん小説です。

夕暮れにしたのは、物語がバッドエンドだから。

黄昏だから。


注意事項3

タイトル、長くなりましたが、多くの方が引っ掛からないよう、変えました。恋愛じゃないので。

長いタイトルは覚えられないので、これで最後にしたいですね。

とろりとした夕日が灯る、とある夏の日。彼女はだらしなく椅子の背もたれに凭れかかり、書類を捲っていた。書類、と形容したが、正しくは書類ではない。自ら執筆し、書き上げた小説。それをA4用紙に打ち出したものだ。もう残り僅か。追いやられた頁がしなる最後の一枚を捲り終えた後、欠伸混じりに背を伸ばした。

「あ゛ーうちの子、かわちぃ〜。ま、殺したけど」

冒頭の猫なで声から一気に下落し、ドスの聞いた低音に変わる。目は冷たく冷ややかだった、

ハピエン厨ではあるが、時折、自らの意思で相手を殺す。徹底的に救いのないレールを引き、それを自らが生み出した登場人物に歩かせ、絶望へと向かわせる。それは自らの好みの真ん中であっても関係ないらしい。

「お前は物語を愛する事はあるが、個人に感情移入するタイプじゃない。だから容赦なく殺せるんだ」

此奴が描くバッドエンドは自らが顔を顰めるほどではないにせよ、しっとりとした喪失感がある。あれ程までに頑張って世界を救おうとしたのに、最後には世界そのものから忘れられる。それでも去り際の主人公は嬉しそうだった。それが唯一の救いであるかの様に。それが最も美しい終わりであるというように。

其奴は僅かに目を輝かせるが、それを此方に向ける事はなかった。ただ読み終えた察しに目を向けている。

「察しが良いね。女の子にモテそうだね。でも彼女はいなさそう。孤高の子は皆の鑑賞物だもん。登場人物と一緒。どれだけ願っても、隣に立つのは叶わない。そして私の事は嫌いだろうね」

あながち間違ってはいない。好きか嫌いかで言ったら嫌いだ。自分が求める物の為に、なんの感情も持たずに殺せる奴を好きになる筈がない。

「お前は間違っても、俺がお前を好きなる小説を書くはずはないんだろうな」

「そうだね。当たりの強い奴を好きなるわけないじゃん。言っとくけど、現実世界のツンデレなんて、ウザイだけだから。あれだけ虐げといて、今更何様のつもりなのって話だわ。私の描く世界の中で、終わりとして美しくない。それは私にも言える事」

其奴は立ち上がると颯爽とその場を後にした。残された俺は机の上に置かれた冊子に目を向ける。

「お前が愛した物語は、決してお前を愛する事は無いだろうよ」

久方ぶりに訳分からん小説です(・ ・)

頑張って考察しますよ〜……ムムム(´⌒`)


でも答えは最初に出てると思います。

「物語を愛してるけど、感情移入はしないタイプ」。

より美しい終わりを目指しているけれど、その過程が容赦ない。終わり良ければ全て良し。

そんな奴を物語が愛するかって言われたら否じゃないかと。

起承転結が美しいからこそ、終わりも美しいので。


そしてこの代弁をこの主人公にさせた、つまり『物語の登場人物』に重ねた終わりだと思います。

『お前が愛した物語はお前を愛することは無い』。


なかなかに皮肉聞いてますね。

物語に対した行った仕打ちは完全にツンデレそのもの。

彼女が言ったセリフこそ、特大のブーメラン。

結局、どう頑張っても、『お前を愛することはない』。

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