始まりの第二章
ーー十年もの時がたったある日のことーー
俺はお使いを頼まれた。娘の『アナ』に添える花を買ってきて欲しい と
「じゃあ俺行ってくるね!」
この十年の間に俺はすくすく育ち、活発な男になっていた。姿としては白髪で自分で言うのもなんだが綺麗に整った顔立ち、目は琥珀色をしている。
この姿もあってかもだが村の主婦達からは割と人気なのだ。
「気をつけてな」
「うん!」
力いっぱいドアを開け、俺は外に飛び出していった
その彼の姿を悲しそうな目で見ながら、アドバンはこう言った。
「こんなじぃを許しておくれ……」
・・・・・・・
その頃、俺は、
「あー花なんて何買えばいいんだよ!全部綺麗だしわかんねぇーよ!花屋のねぇーちゃんにでも聞きに行くか」
と、言い俺は急ぎ足で花屋に向かった。
「ねーちゃんねーちゃん!」
「あら、どうしたのギレ?何買いに来たの?」
「アナさんにあげる花を買いに来た」
「アナさん……そう、アナさん……分かったわ。用意するからそこで少し待ってて」
「分かった!」
花屋のお姉さんこと『アンナさん』が花を準備している頃、俺は店の前で大人しくじっと座っていた。
そして数分経って、アンナさんが店から出てきた。
「はい、ギレット。これをアドバンさんに渡してね。きっと喜ぶから」
渡されたのは王国周辺によく咲いている『カラリア』という白い花だった。
「分かった!ありがとうねーちゃん」
「ふふっ どういたしまして」
俺はは会計を済ませて肉屋、魚屋、八百屋の順番に買い物をしていき、帰ろうとした頃、教会の近くに黒ずくめの3人組を見つけた。
「チッ あの老いぼれガチ使えねぇーぜ」
「まぁまぁロストシリーズの回収には成功したんだ。これであの御方の機嫌を損ねずに済む」
「そりゃそうだけどよ」
「あの教会に住んでたガキか?あのガキになんの価値もねーぞ」
「ちげーよ!見られてねーかを心配してんだよ!」
「あぁ その事か 我々は完璧に手順を成功させた。これより撤収する」
そう言うと黒ずくめの三人はその場を立ち去った。
その一部始終を見ていた俺は少し嫌な予感がした。
だがこの予感は当たっていたのだ……
ドアを開けるとそこには、アドバンが血を流し倒れていたのだから……
まだまだ続きます