橋桁
屋上。
少し力をかけたら折れてしまいそうなぐらい
細くて頼りない、手摺がある。
その先には確かに澄んだ空が広がっていて
その下には確かに世界がある。
確かに目の前には広がっているのに
手は届かなくて。
そこから足を踏み出せば、きっと新しい場所に行けるのだろう。
でもそこが、必ずしも望んだ場所とは限らなくて。
残念なことに、行きたいところへいつも繋がっているとは限らないところまで
本当に、憎たらしいぐらい橋にそっくりだ。
なんてことを考えながらも、まだその橋も渡れずに
今日も、橋桁を睨んでいる。