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幼馴染みは残酷に飴と鞭を使う  作者: 明瀬 うらび
出会い~中学生編
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8、花火大会

花火は20時からなんだけど、露店をまわりたいからと18時に集まったあたし達。


みんなでこうして遊び歩くなんて初めてで、あたしのテンションも不思議と上がってきた。


途中くじ引きの屋体があり、みんなでするかとくじを引く。


あたしも、高瀬くんも、神埼くんもハズレばかり引くなか、陽くんは特賞だった。くじ運まで凄いんだなと感心するあたし達。


特賞は大きいくまのぬいぐるみだった。持ち運びづらいし、そんな大きなぬいぐるみはいらないと陽くんが言ったのであたしが貰うことにした。


くまのぬいぐるみはあたしが運ぶと言ったものの、意外と大きくて無理だったから、高瀬くんが背負うことになった。


ぬいぐるみ効果で高瀬くんの可愛さが2割増しになった。


そして、あたしに宝物が増えた。


花火大会会場。

人が沢山いて、前に全然進めない。

前を歩いていた陽くんがあたしに手を差し出した。


「はぐれないように。掴まって」


陽くんと手を握るなんて、10年も一緒にいたけど初めてかもしれない。


心臓の音が凄い。ドキドキが止まらないよ。


ドーン。

ドーン。パパーン。

次々上がる花火。


毎年見る花火より、今、陽くんと見てる花火は特別綺麗に見える。陽くんは花火が終わるまでずっと手を握ってくれた。


帰りは陽くんが家まで送ってくれることになった。

くじの特賞のぬいぐるみは陽くんが背負ってる。陽くんはぬいぐるみの効果での2割増しはない。元からかっこよすぎるせいだろうか。


「ありがとう、咲良。今日は楽しかった。前に人混みの中、花火を見る意味がわからないって言ったけど、今日その理由がわかった気がする。咲良といると色々な発見があって楽しいよ」


「あたしも楽しかった。また・・・いや・・・なんでもない」


本当はまた来年も一緒に行きたいと言いたかったけど、来年は高校が離ればなれになるテニス部メンバーで行けるとは限らない。

2人で行けたらと思うけど、全国大会前なのに、余計なこと言って陽くんに負担はかけられない。


他愛ない話をしながら、あたしの家の前に着いた。

陽くんから、くまのぬいぐるみを貰う。


「今日は本当にありがとう。おやすみなさい」

全国大会前だし、今日好きと言うのはやめた。


「あのさ、咲良。浴衣が可愛いって思わず言ったけど、嘘だから。テニス部のメンバーみんな褒めてたから、ちょっといじわるなこと言った。今日の咲良は特別可愛かったよ。じゃあ、またね」


・・・凄い飴がきた。ヤバイよ、ヤバイ。

ぼっと音を立てて顔が赤くなるのがわかる。


陽くんに言われた特別可愛いの破壊力は凄すぎた。


赤くなった顔を見られなくなかったあたしは、くまのぬいぐるみで顔を隠した。





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