表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/203

屈折し過ぎでは?



なんか、クリス様が不利だからって判断先延ばしにしてくれるらしいんだけれどお父様が完全におこである。


陛下笑っていらっしゃったけれどおそらくめちゃくちゃ大変なことになると思うので覚悟決めてほしい。お父様がこの手のことをやられたままで終わらせるなんてまずないと思いますの。

というか私の意見まるで聞かないあたり、本当は婚約や婚姻なんてどうでもよくってお父様への嫌がらせなのではないかと少し疑っている。



「クリストファー殿下、わたくしのことで怒ってくださりありがとうございますわ。けれど、陛下との関係性を穏便に保たなくては殿下も大変ではありませんか?」

「いや、構わないよ。グレイヴ公爵とトーラス公爵くらいしかまともにやり合わないのがそもそも悪い。上の悪いところを正してこその忠義であろうに」



あ。クリス様も今までになく怒っていらっしゃる。



「けれど、無謀ですよ。あんなでも…目的のために手段を選ばない面がある怖い方ですからね」

「私も父上とやりあうのは避けたいくらいだ」



おそらく、彼らは彼らで私の身を案じて黙っていたのだろう。

窺うようにクリス様を見ると、不貞腐れたような顔をしていてそれが少し面白く、くすりと笑う。すると、バツが悪そうな顔で彼は笑った。



「こんなところばかり見せて申し訳ございません、フィーネ嬢。せっかく今日も美しく着飾って来ていただいたというのに、両親もあのような態度で…恥ずかしいばかりです」

「いいえ。わかっておりますわ。妃殿下たちもわたくしのことを気遣ってくれてはいたのでしょう?お父様が一緒にいてくださったのですから大きな不安はありませんでしたわ」

「そう言っていただけると母も安堵するかと思います。僕たちもグレイヴ公爵家と事を構えたいわけではありませんから」



陛下はお父様とやり合いたいようですけど。お父様、もしやめちゃくちゃ厄介な方に好かれる体質なのではありませんか?気のせいですか?


お父様狙いの女性、未だに私の同年代の未婚令嬢から既婚者のご婦人までいるの知っているんだけれど、行動に移すまぁまぁやべー人を夜会に出るようになってからゴッロゴロ見ているものね!

ちなみに男性でもお父様に屈折した感情を抱いている方ちょくちょく見るけれど、これ今までで一番大物のやべーやつは陛下ですね。お父様が穏和な事、皆さまもっと感謝してほしい。



「さて、君にとっては不服であろう事であるとわかってはいるがこれで君は強制的に選ばざるを得なくなったわけだ。……母上とソフィア殿に頼んで君を王城に縛りつける事はなんとか回避したが、父上は何故か君のその力を強く御所望らしい」

「それとなく探らせてはいますが、国王の近辺となると流石になかなか情報が漏れてこないのが痛いところですね」



三兄弟が揃って難しい顔をしているのはやはり、陛下が相当曲者だという事だろう。



「そんなに心配そうな顔をするな。私だってそれなりに努力をしてきた。君の父君にはまだ及ばないかもしれないが、精一杯君を守ってみせるよ」

「ええ。私たちにとっては君の笑顔が一番の宝物です」



頭を撫でられて彼らを見上げると、安心させるように笑いかけてくる。

──それがなんだか、アルお兄様を思い出してホッとした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ