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自信のないお嬢様(sideレイ)



伏せられる目は宝石のように美しく、波打つ焦げ茶の髪は柔らかく愛らしいその容貌を際立たせる。


貴族にしては優しいお嬢様は公爵家にて宝物のように大事にされている。

一方で、その過保護ぶりからフィーネ・グレイヴという少女は侮られがちで、自信がない。



───我が国の王子を三人、虜にしておきながら、だ。



(全ては若様やヒュバード様のせいだが)



これだから、早めにあの過保護な対応はやめるべきだと常々言っていたのだ。

そして、結果的にそのせいでフィーネお嬢様は少し追い詰められていた。タイミング良く近づいて来れたクリストファー殿下に分があったのはクラウス殿下やリオンハルト殿下には完全に予想外だっただろう。


旦那様に言われて、若様へ報告する情報を一時的に少なくしてみたが、それでもやはり…お嬢様が惹かれているのは彼のお方だろう。



「それで、若様にも断り辛い縁談が舞い込んで参りましたがどうするおつもりで?」

「……レイ、楽しんでいないか?」

「えぇ。他人事ですから」



ついでに妹への干渉は控えた方がいいですよ、と口に出すと「皆、そればかりだな」と表情を歪めた。



「当然でしょう。姿はまだ幼いように見えますが、成人を冬に控えた淑女ですよ。決して守られるだけでいい年齢ではありません。……若様のそれは、結婚も視野に入ってくる年齢の女性への対応ではありませんよ」

「それは分かっている。だが、ローズはともかく…フィンはどこか危なっかしい。気がついた時にはどこかに攫われていそうなところがあるのが怖い」



窓の外を見上げる若様は絵になる。



「いや、それを言うべきは私ではないはずなのだが、どうにもフィンが殿下たちに心を移している様子がない。むしろ、学院に入ってから側にいるディアン嬢へ向ける視線の方がよほどだ」



それもそうだろう。

その正体はその弟王子であらせられるクリストファー殿下だし、彼はフィーネお嬢様へ過保護になっておらず、自信のないフィーネお嬢様をしっかり褒める。そして、素の自分のままお互いに接している。


最近では、フィーネお嬢様は段々と凛とした美しさも兼ね備えつつある。それはきっとクリストファー殿下のおかげだろう。

何かきっかけが有れば、あの二人は化けるだろうと旦那様はいう。

若様だってそうだろうが。



「ところで、アナスタシア様との縁談はどうなさるおつもりで?」

「受けるしかないだろう。アルス殿下も何故私などに姫君との縁談を持ってきたんだ?」



分かりにくく、冷たく見えるだけで若様が優しい方だとバレたからですよとは言い辛いな。

アルヴィンは適切な距離さえ保って居れば比較的性格的には優しい。ので目をつけられた。

過激度はヒュバードが一番高かったりする。

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