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前世との類似点も存在する



学期初めに実力テストがあるあたり、日本人の考えたゲームだなぁ、と言う感じがする。そもそも、外国の学校は9月からだったりするのに4月始めだったりして仕組みが結構日本みたい。

私としては親しみやすくて助かるからいいんだけど。


いつもより余裕がある感じで問題を解けたので、夏休みのお父様とお兄様による集中講座はそれなりの成果を上げたらしい。

小さい頃はなにを言われても「いや、私に合わせて講義して」と思っていたものだけれど、たくさん勉強させられた今となってはとても有意義な授業になっているので人生ってわからないなと思う。





「語学のテストはよく出来たと思うのですけど、魔法学が少し躓いてしまいました」



しょんぼりとしたセーラ。ぴょこんと出た毛までしょんぼりしている。

魔法学も少し難しいところに入ってくるところだから、今躓くと結構痛い。

……レオ先生は専門的でニッチな問題を作るのが大好きなので。



「ケビン様に教えていただけば良いのでは?今躓くと後に響きますよ……レオ先生の性格的に」

「お兄様とは今冷戦中なのです!わたくしとコンラート様の邪魔ばかりするのですわ!」



私が言うのもなんだけれど、セーラも大概お兄様に溺愛されて生きてきているので結構予想できた案件である。しかもよりによって今まで自分に喧嘩ふっかけてきていた気に入らない部類の人間が可愛い妹の婚約者になったので彼はだいぶ不貞腐れている。

しかも、「そんなこと言うお兄様なんて嫌い!!」と言われたため、今度は逆にケビン様がゼファード様への態度悪めである。



「拗れぬうちに仲直りをした方が良いですよ」

「それは…わかっているのですけど」



少し考えてから、「はい、お兄様とちゃんと話してきますわ!」と元気よくセーラは宣言した。


この後、しっかり仲直りして勉強を見てもらっているあたり、セーラの妹力の高さを感じる。

後で聞いたところによると、「嫌いなんて嘘ですわ!ごめんなさい!でもお兄様も悪いのですよ!」と初っ端からぶっ込んだらしい。さすが素直系妹。


試験が終われば、早速今季のイベントである学院祭の打ち合わせを生徒会で行う。

基本的に、生徒会が行うのは面倒な裏方作業だ。これはもう仕方ない。そのために権力があるところもあるし。他人に言う事を聞いてもらうためには特権が必要なこともやはり多いのである。世知辛い。



ゲームと一緒なのは各学年で行う催し物もである。

1年が劇、2年が商い、3年が研究発表だ。アルお兄様は「長時間生徒会活動に関わると研究発表が疎かになるからな。前準備を前もってしておく方が賢い」という理由で夏期休暇にも少しクラウス殿下たちと連絡を取り合ったりしていたみたいだ。

やるからにはテッペン目指す系のお兄様はガッツリ根回しをしていた。


生徒会活動で1年がやることといえば雑用だ。

概要も予算編成も、大体のことは上が決める。要するに、「今年ちゃんとみておいて来年からの活動に活かすように」ということである。


……ところで、このプログラム折る作業って、もしや私たちの手作業?来場者+全校生徒用って何枚なの…?


印刷に関しては、なんかそういう魔道具があるらしい。ご都合主義もここまで来ると感心したりもする。

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