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そして夏は終わる



最近、ダンジョンの活性化とかが結構酷いらしい。ミーシャさんとヒューお兄様はシュトレーゼ伯爵領で走り回っていた。

家の人にお守りを何個か持たせて送ったけれど、無事に届いていることを祈るしかない。私の手作りなので大量生産はできないのだ。


さて、と目の前にある琥珀色の石を嵌め込んだブレスレットを見つめる。

お父様に頼んでブレスレットと石を嵌める台座を用意してもらったそれにたっぷりと魔力を含んだ妖精石を嵌め込んだ。オルゴールのお礼のつもりだ。



「あからさま過ぎるかしら」



小さい声で呟くとベルは「そんなことないわ」と楽しそうにブレスレットの上に座った。



「人という生き物は、自分の髪や瞳の色に拘るものでしょう?魔力の色なんて誰も、気にしすらしないわ」



いつの間にか大人びたことを言うようになったベルの頬を軽く突く。「もう」と腰に手を当てる彼女が可愛くて少し笑みが漏れた。





「もう新学期ね」



にこにことお姉様が機嫌良く歌うようにそう言った。そんなローズお姉様も大変にキュートです。ありがとうございます。理由がクロイツ様ですのでそこはちょっと悔しいです。まだ私のお姉様なんですからね!!ね!!



「そうですわね。学院祭などがあって……忙しい気配がしますわ」



生徒会の立ち位置としては、運営の方に時間を割く必要があるので嫌な予感もしている。なんかアルお兄様ってばもう業者の選定始めてるものね。


そういえば、エメルダとミーシャ(男爵令嬢の方)がついに修道院に突っ込まれたらしい。ルヴィアさんが後継になりそう。まぁ、エメルダよりは仲良くなれるかしらね……。一番ホッとしてるのってアルお兄様だと思うの。あと、エメルダがいなくなったということはアルお兄様の婚約者も探しやすくなったってことだろうなぁ。



新学期に備えて荷物の準備をしていると、机の上に置いたオルゴールが目に入った。

優しい音色が心地よくて毎晩ネジを回してしまう。



「……あの方とは違うお部屋になるものね」



休暇が始まる前より、それがなんだかずっと、寂しい気がした。

不思議だけれど。



「持っていけば良いじゃない。好きなんでしょう?」



揶揄うようなベルの声に、「そうね」と返すと、彼女は嬉しそうに笑った。

ベルもどうやらオルゴールの音色が好きらしい。


そして、新学期が始まる。

ヒロインはもううちのお兄様とくっついてるから不穏フラグとかもういいですお腹いっぱいです引っ込んどいてください頼むから。

これで夏期休暇終わりです。

しばらく本業が忙しいので多分ちょっと更新遅めになります。キリがいいのでここまでは更新したかった。

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