表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/203

妖精祭が近づいてきました



妖精祭とは、建国伝説におけるこの国を興す時に協力してくれた妖精王たちに対する感謝のお祭りである。

この夏の終わりの時期に各所で行われる。


確かゲームでは一部の攻略対象とこのイベントでお忍びデートをすることで大きく好感度が上がる仕様となっていた。

それもあってかヒューお兄様はミーシャさんとデートのお約束をしている。ミーシャさんも楽しみな感じだったので良かったと思います。


ところで王子様とのフラグが立っていた私だけれど、お父様が神殿でお祈りする巫子のお役目を渋々持って帰ってきたのでレティお姉様とそちらに参加することになった。もう一人一緒の方がいるっぽい。誰だろう?

お祈りのお役目、毎年貴族令嬢数人で行うんだけれど「婚約者とデートしたい!」という方とか「そんなところで祈るよりお祭りを楽しみたい!」って方の方が多いのでそこそこ嫌がられる。本当は男がやってもいいらしいんだけど華がないとかで王都ではやってないらしい。



お父様曰く、王命で召喚されるよりマシだったとのことである。ああ…王子様とのデートフラグ立ってたからか。申し訳ない。


そんなわけで儀式用のローブも用意して、あとは髪飾りだけ可愛いの選ぼうと思ってたらクラウス殿下とリオン様の連名で届いた。


そういうわけで唯一自由になるところも選ぶ選択肢は消えた。いや、私のセンス貴族にしては地味だからありがたいけどね。あと連名で送ることで私が付けないという我が儘をいう理由も無くなっちゃったのである。

お母様には「早くどちらか決めた方が身のためよ」と言われた。意識したのが最近なので本当に辛い。


神に懺悔します。

モブキャラだからといって自分が選ぶ立場ではないとたかを括っておりました。助けてください。



「お母様、この責任の半分はこの子がまだ幼いと色恋から遠ざけておりましたお兄様たちのせいでもありますわ」

「ギルも社交界での評判の割に末娘のフィンに甘いものね」



最近、ガンガンに釣書も届く。

ほとんどがロリコンか身分とお金狙いなのでお父様とお母様が笑顔で処分していますけど。


そっか……低身長童顔つるぺた小学生ボディはそういうところに需要があったのか、と心が死ぬとこだった。



「王子妃になるにしても、公爵夫人になるにしても必要な教育は受けさせています。あとはあなた次第よ」

「もうすこしはやくそれをしりたかったですわ」



まさかはじめっからとっても高貴な人に嫁がせる前提だって思わなくない!?

いや周囲に「それで気付かないところが馬鹿」みたいな顔されてるし……。


リリィお姉様にも最近「まだ気がついていなかったの!?」「鈍いにも程があります!」という内容を貴族らしい超遠回しの表現で綴ったお手紙を送ってこられて泣きそうだった。でもリリィお姉様も私を思ってお説教してくれてるのわかってるので何も言えないのである。


鈴の鳴るような音がしてそちらを見ると、ベルが嬉しそうに私へ淡い桃色の花を持ってきてくれていた。やだ、私の妖精超可愛い。



「ありがとう」



そう言うと、ベルは私の髪にそれをさして手を叩いた。似合ってるって言ってくれているみたい。


私がお祈りするお役目をいただいてからベルが大変ご機嫌なのでそれは良かったなって思う。


あと、今日みたいに細やかなお花の時もあれば、たまに贈り物みたいな華やかな一輪を持ってくることもあるのでなかなか油断ならない。お礼に私のおやつを進呈すると、さらに目を輝かせる。


お菓子を頬張るベルを軽く突くと、真似するように私の頬を突いた。

最近の癒しである。というかこれとお姉様を毎日見れることしか癒しがない。

ベルが摘んできたお花もあれば、ベルがもらってきたお花もある。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ