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自分の立ち位置は



私ではなく、「王族」に危害を加えようとした科で男が連れて行かれたけれど、こういったことって割とあるのかパーティーは続行している。貴族って心臓強くないとできないのかもしれない。


私もドレス等が無事だったからかそのままフロアの中心近くでダンス踊ったよ。心臓が飛び出そうな感じでも習った通りに身体が動くのが怖いよね!


リオン様と踊ったあと、アルお兄様と踊り、テラスへと出た。バベルがいつも以上にピリピリしている。

……なんか最近命の危機そこそこあるものね。ごめんね。



「……平気か?」

「ええ。リオンハルト殿下やバベルが守ってくれましたから」



正直言えば、あれもそれも全部私を殺すためとかではないのよね?という若干の疑心暗鬼になっているところはありますけれど。

私……と言いますか、我が家だって敵がいないとは言えないけれど、それにしたって王族を巻き込んでも構わない様な過激なやり方はらしくない気がする。


反面、ミーシャさんに関しては確かにエメルダが嫌がらせをしている様だけれど、ゲームの時の様な命懸けのトラブルは起こっていない様に見える。

……私がヒロインの立ち位置を奪っている?特に何をどうしたつもりでもないけれど。



「フィーネ様!」



名前を呼ばれて振り返る。アルお兄様が私を背に隠してくださっているのですが、お兄様は嫡男なのでご自愛くださいませ。とは言っても私もちょっと怖いので頼りにしてしまう。



「セーラ様、どうかさないましたか?」

「お兄様と逸れてしまって……フィーネ様の姿が見えたものですから」



恥ずかしそうに頬を染めたセーラはアルお兄様を見てペコペコ謝っていた。

私と仲が良いからハブられちゃったのかしら。それなら尚更あのホーンス様がセーラから離れるとは思えないし。



「だから!魔法は俺、その他はおまえの勝ちって事で決着がついただろう!」

「ええい!あんな僅差で勝ち負けなど判別できるか!?」

「総合順位見てなかったのコリー」

「コリー等と呼ぶな、ケビン!」



と思ったら騒がしくしながらやってきた。セーラを見て、ふにゃりと笑うホーンス様と不服そうに腕を組むゼファード様は何かいつも言い合っている。

本当は仲が良いのでは?



「コリー?あら、コンラート様お帰りになっていらしたのね」



ゼファード様を見て懐かしそうに笑うセーラ。ああ、可愛い。笑顔のヒロイン力が強い。



「……セーラか?」

「はい!お久しゅうございます」



目を見開くゼファード様。カッと顔が赤くなって、目線を逸らして「久しぶりだな」と告げた。そういえば設定上、彼の初恋はセーラなのでした。現実でもどうやらその様だ。

そしていきなり目の前で繰り広げられる甘酸っぱい何かにホーンス様が青筋を立てていらっしゃる。



「少し見ぬ間に綺麗になったな」

「本当ですか?お兄様にはいつも子どもっぽいとバカにされるんです」

「では、そんな兄君は放って俺と踊っていただけますか?ホーンス嬢」



セーラの手に唇を落として、彼女の顔を見上げるゼファード様……の手をホーンス様が叩き落とした。



「何のつもり?」

「魅力的な淑女に誘いをかけているだけだが」

「俺の妹に手を出すな」

「お兄様!いい加減にしてくださいませ!……お受けいたしますわ、コンラート様」



妹をゼファード様に掻っ攫われたホーンス様はフリーズしてしまっている。

なんか見つめ合って楽しそうに踊っているので、個人的にはこれが恋かしらなんて思ってしまうけれど。


アルお兄様はホーンス様の肩を叩いて、微妙な顔で頷いていた。兄同士分かり合える何かがあったのかもしれない。


というかゼファード様もしや私とお兄様見えてなかったのではない?

……ヒロインとくっつかないエンディングではもしかしたらセーラと結ばれていたのかもしれないわね。

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