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ライバル令嬢の妹になりまして  作者: 雪菊
本編

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48/203

サマーパーティー




波乱万丈だった合同実習が終わり、ダンジョン二つは国の調査が決定しました。


その後は、後期試験でなんとか首位防衛しました。バベルが後ろで、「分単位スケジュールは回避ですが、このままでは危ない様ですのでそれなりの計画を立てさせていただきますね」非情な宣告をした。そんなぁ……。



「貸衣装頼もうと思ったら、ヒュバード様からドレスが送られてきたんですけど何とかなりませんか!?」



本人に言っても聞いてもらえなかったらしいミーシャさんが「これ一体いくらなのか分からなくて怖い!」と泣きついてきた。安心して欲しい。私に送られてきたイエローダイヤモンドの装飾品よりは手が震えなくて済むよ。



「ミーシャさん。わたくしには何もできません……両親かアルお兄様か殿下達くらいしか止められませんわ」



というか、なぜ相談先が私なのかなと疑問に思ったので聞いてみると、ローズお姉様は「あら、あなたに似合うと思うわ」とニコニコ微笑んで話を聞いてくれる感じじゃなかったらしい。


とりあえず、本人の了解を得てから負担にならない程度の物を送る方がいいのでは、とヒューお兄様には言っておいた。

ヒューお兄様は「でも今回は用意してしまったし……。受け取ってもらえなければ捨てるしかないな……」と悲しげに言って罪悪感を煽り、受け取らせていた。ミーシャさん……。受け取っちゃったらお兄様調子に乗っちゃう……。


サマーパーティーの準備が完全に終わり、後は業者や学校の教員に任せるだけという段階になった。

積み上がった書類の山と数字の羅列に苦しめられる生活が終わったのだ。


当日になると、実家からリズベットが来てくれて、広げるのにも手が震えるドレスを着せてくれた。というか、根が庶民なのか実家で着る服やドレス、アクセサリーも未だに手がプルプル震える。……高価なものって怖くない?

クリス殿下が「リオンハルト兄上……」とドン引きしていたドレスは、流石にリオン様の紋章モチーフ飾り等はなかったものの、明らかに高価なそれに飲み物を零されないかだとか、食べ物を持って突撃してくる人間はいないかだとか、態と裾を踏んで破ろうとする人間はいないかだとかを気にしてしまう。

……私、これで踊るの?



「わたくし、もしかしたら緊張のあまり足を踏んだり、リオンハルト殿下を巻き込んで転ぶかもしれないわ……」

「フィーネお嬢様。公爵家の令嬢がその様な弱気でどうします。胸を張って参加してくださいまし!」



これがデビュタントの予行的なものも兼ねているのは分かっているけれど、ちょっと緊張で胃が痛いわ。

アルお兄様に連れられて、会場入りするとリオン様が近づいてくる。



「フィーネ、似合っていますよ」



微笑みながら手を取ってくれるリオン様は正しく王子様だ。

差し出された手に、掌を重ねるとその大きさの違いに気がついてしまう。……気がつけばあっという間に周囲がみんな大人になっていく。



「ありがとうございます。リオンハルト殿下」



小さな頃は、お兄様がたくさんいる様な感覚だったけれど、注がれる視線と持って生まれた立場がそう在り続けることを許してくれないんだろうなぁ。


エスコートをされながら会場で一緒にいると、睨まれる様な視線をヒシヒシと感じる。

将来的に公爵の位を得ることが決まっているリオン様だって他の令嬢からすると狙い目だものね。


気取られない様に微笑みの仮面を被って、挨拶にも応える。

……今日はリオン様がご一緒だから少ないけれど、いつもは結構たくさんの人に婚約がどうとかで詰め寄られたりする。私は体格が小さいので肉壁にしか見えない。どうやら、私と結婚する代わりに家へ援助してもらいたい、とか、お父様やお兄様達、隣国の公爵家に嫁いだ姉との接点をと望む人がいる様だ。瞳の奥に冷たい物が見える気がするから余計に怖い。

一方のリオン様も普段のこういう場ではちょっと吃驚する数の令嬢達に取り囲まれている。本人がクラウス殿下と仲が悪くないというところを見せているところもあり、王太子派と呼ばれる家であっても娘を嫁がせても大丈夫だろうと判断されている様だ。


曲が始まり、リオン様が「踊っていただけますか?」と聞いてくださり、それに返事をしようとしたところで、突き飛ばされた。

バベルによって後ろに隠されて、周りを見渡す。

何事かと言う前に床に広がる赤い液体が目に入った。



「衛兵、連れて行け」



厳しい声のリオン様。

一瞬血かと思った赤いそれは成人した生徒用の赤ワインだった様で、その周囲が黒く変色しつつある。リオン様とその護衛の方が捕らえた給仕の男はナイフを握っていたようで、それをヒューお兄様が拾って衛兵へと渡す。


駆け寄ってきてくれたミーシャさんの顔は真っ青だ。


……おお、私もしかしなくても命狙われているわね!?

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