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これが今の家族です



私には五つ上の姉と二つ上の兄、一つ上の兄と姉がいる。順番に長女リリアナ、長男アルヴィン、次男ヒュバード、次女ロザリア、そして私フィーネの5人兄弟である。父はギルバード、母はディアナという。


まず父、ギルバード・グレイヴ公爵。

茶色の髪、アイスブルーの瞳の麗しの貴公子である。現リディア国王イアン陛下を支える宰相であり、氷のギルバードなどと呼ばれているらしい。家では愛妻家子煩悩の良き父親なのでまるで想像がつかないけれど、仕事のオンオフの切り替えがしっかりした人なのだと思う。お母様が「ギル」と呼んだ時の蕩けたような笑顔が最高。魔力属性は水。


母はディアナ・グレイヴ公爵夫人。

侯爵家からお嫁に来たらしい。金の髪、宝石のようなグリーンの瞳の美しい人である。政略結婚ではあったけれどお父様を深く愛し、お父様に深く愛されている社交界の華だってメイドさんが言ってた。実際めちゃくちゃ綺麗な自慢のお母様です。でも着飾っている時よりもお父様が「ディア」と呼びかけた時の方が幸せそうで素敵です。魔力属性は風。


長女はリリアナお姉様。

現在8歳で、6歳の時に出たお茶会で隣国の公爵家の嫡男のジュード様と恋に落ちたらしい。もう8年もしたらお嫁に行ってしまう、らしい。リリィお姉様のことがゲームで出てこないのは隣の国にお嫁に行ってたからなのね……。お母様と似た容姿で天使のようなリリィお姉様は毎週ジュード様のお手紙のことをお話してくれる。恋するリリィお姉様はとても可愛いと思います。魔力属性は風。


長男で嫡男はアルヴィンお兄様。

5歳。「フェアリー プリンセス」略して「フェアプリ」の攻略対象の一人だ。金髪にアイスブルーの瞳を持つクールな知識人で参謀系のキャラクターだった。もうすでにその片鱗をのぞかせている。彼のストーリーでは冷静なアルお兄様がヒロインに思わず自分の心を抑えきれない、というところが萌えポイントとされていた。アルお兄様のルートのライバル令嬢は侯爵家のご令嬢である。まだ出会ってない。魔力属性は水。


次男はヒュバードお兄様。

4歳。攻略対象の一人だ。優しく強い騎士様だったはず。お父様に一番似ている。双子の妹であるローズお姉様がおっとりした人なので世話焼きだ。道を踏み外すとヤンデレ化するお兄ちゃん系でその道の方に人気だった。彼はヒロインを監禁して一生部屋から出さないルートがある。ヒューお兄様のルートでライバル令嬢はいないけれど、攻略難易度が何気に高かった。何せ道を踏み外すと病むから。魔力属性は風。


次女はロザリアお姉様。

4歳。第1王子の側近の銀髪メガネのルートでのライバル令嬢である。ちなみに第1王子は攻略対象ではない。そして私の推しはこのローズお姉様である。彼女はおっとりした人なのだけれど、心が真っ直ぐな淑女なのである。気高き貴族の華である。瞳の色はお父様だけれどお母様とそっくりな天使です。アルお兄様とカラーリングは一緒なのになぜこんなに印象が違うのかはわからない。魔力属性は水。


推し(姉)の笑顔が毎日見られる幸せを何に例えれば良いのだろう。とりあえずできればお姉様には婚約破棄されずに幸せになってほしい。私?私はモブなので人生そこまで決まっていないし、お父様が変なの連れてくるわけがないので、ヒロインが男を見繕った後に適当にお父様の伝手で結婚できればいいなと思ってる。だって先に恋愛していたらヒロインにメロメロ〜とかちょっとシャレにならない。


お父様とアルお兄様が必死でゴンゴン結界を叩いているのを見ながらそんな感じの現実逃避をする。アルお兄様が魔法の練習中にうっかり氷が飛んできて、私の妖精ちゃんが結界を張ってしまったのである。なんとか説得を試みたのだけれど、「外は危ないよ!」とでも言うように腰に左手を当てて右の人差し指をメッとでも言うように私に向けるのだ。



「おなかすいたなぁ……」



いつになったら出してもらえるのかなぁ。

妖精は私たち人間や自然からの魔力を食べて生きているけれど私たちはご飯を食べないと死んでしまう。とはいえ、人間に妖精の気持ちが深く理解できないように、妖精も私たちの気持ちを深く理解することはできないので責める気もない。ただ、トイレに行きたくなる前には出して欲しいなぁと思う。というかすでにちょっとキツい。

妖精さん妖精さん、例え幼女でも中身20代の女の子がお漏らしは大変に堪えるのでそろそろ本当に出していただけるようお願いいたします。


お祈りをしながら待つこと30分。ギリギリお手洗いに間に合いました。



「ようせいさんとのキョーゾンはむずかしいのですね……。」



ファンタジーの世界に喜んでばかりもいられないのね、と妖精を見ながら考える。それでも、まだ3歳。慣れるまでに時間はたくさんある。せっかく魔法と妖精さんがいるファンタスティックな世界なのだ。楽しめるように頑張ってみせる!

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