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知らない間に何かが起こっている




エメルダ、お兄様と婚約しようと頑張ったけどお父様にガチギレされて無理だったってよ。


えっ、本気でアルお兄様狙ってたの!?あれで!?普通妹だってわかってるなら懐柔しない?原作ではどうやったのかしら。うーん、フィーネとアルヴィンの仲が良くなかったのかな。


何?リズベット。あ、私が可愛がられているのも気にくわない……。そうですか……。


「フィーネお嬢様の可愛らしさを超えなければアルヴィン様とヒュバード様と結ばれるのは無理ではないかと……」

「じゃあ、割といけそうなものだけど」

「お嬢様……」


残念な子を見る目で見られているけれど、美少年がわんさかいる分、当然だけれど美少女もびっくりするくらいいるもの。セーラなんておすすめ物件です。でもお兄様たちは取られたくない〜!もう少し時間をください……。


「お嬢様、ロザリアお嬢様はクロイツ様にほぼ洗脳と思わしきフィーネお嬢様可愛い教育を行なっておりますよ」

「やだ、お姉様ってば妹思い……」


リズベットが何か難しい顔をしていた。




「そこはロザリアお嬢様を恐れるところだったのでは?」


私可愛い教育という謎行動を行なっているらしいローズお姉様のことをバベルに話すと、そう返ってきた。恐れる……あの、可愛くて美しいお姉様を……?


「そういうもの?」

「失礼ですが、愛が重いと感じられたことは?」

「確かに誘拐の件があってから過保護かなぁと思うけれど、私、生まれてからずっとこの環境なのよ?」


疑問に感じることがない。

元々、末っ子だから結構甘やかされて生きてきているのでどのあたりから愛が重い扱いなのかいまいちわからない。


「家族が仲がいいのは良いことなのではないの?」

「悪いことだとは言っておりませんよ」


苦笑したバベルがすごく小さな声で「このままではフィーネお嬢様の嫁入り先があるのかが不安なだけで」と呟いたのが聞こえてしまった。さすがにそれはないでしょう、と笑っておいた。


……なんでそんな微妙そうな顔をするの。


何か知っていそうな気はするけれど、バベルに聞いても「旦那様に許可を得ていませんので」と言われてしまったので知らないままだ。

えーバベル私の執事なのにぃ、とちょっと思った。ちょっとだけ。

だって雇い先はお父様だものね。仕方ない仕方ない。


「お嬢様には知っていただきたいような、いつまでもそのままでいて欲しいような……」

「そんなに重要な何かがそこにあるの?」


怖すぎるんですけど。

あと、気になるから言えないことは徹頭徹尾黙っておいて欲しい。


その翌日から、お母様直々に淑女的社交界を渡るためのレッスンとやらが始まったのは本当に何があったのかわからない。あんまり急なので「私も婚約者が決まったのですか?」と聞いてしまった。


全然そんなことなかった。


じゃあなんでさ!と思わなくもなかったけれどお父様とリリィお姉様が「これがフィンのためなんだ」「どこに行くにしても絶対に必要になると思うわ」と真顔で告げるものだから真面目に一生懸命やることを決意した。


え。本当に何が起こっているの。

教えてくれなきゃわかんないんだって。

アルお兄様なんでそんな顔してるんですか!?

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