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ライバル令嬢の妹になりまして  作者: 雪菊
結んだ縁から始めよう

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202/203

移住と療養




そして、フィーネは優斗の帰国に合わせて和国に行くことになった。

レティシアは泣いた。どんな手を使ってもそこそこ近くにいるつもりだった。

そして彼女は同じく傷心の王子の婚約者となった。



「わたくしの息子にフィーネの娘をもらうしかありませんわっ!!」

「逆かもしれんぞ」



それなら娘婿にもらうと言い出した婚約者にクラウスは頭を痛めた。

リオンハルトはちゃっかり「私は結婚しません」発言をして世を騒がせていた。そういうのは求めていない。


とりあえず子どもを作って欲しいと祖父からも言われたリオンハルトだったが、微笑みひとつでその頼みもぶった切った。ついでに彼の母はかつての婚約者の元に戻ることが許された。クラウスは「少しだけあの立場が少し羨ましい」と呟いて母にガチギレされた。


そして、和国に向かうフィーネはずっと優斗の膝の上にいた。重くはないかと聞けば「羽のように軽いよ」と言うし、おろして欲しいと素直に言っても「照れずともいい」と笑顔で押し切られた。どうやって照れずにいられるのだと思っていたフィーネだったが、途中から虚無顔になった。どうにでもなぁれ、である。


虚無顔に気づいた臣下の言葉も耳に入らない浮かれた優斗。着いてきたバベルとドロシーは「言うべき?」「お嬢様が言って聞かないなら無理でしょう」と視線を合わせ、頷いた。




数日をかけてやっと和国の首都へと辿り着いた彼らは、その屋敷で歓迎された。

国主夫妻からは。


フィーネに関しては、女性からは「狙っていた男を横から掻っ攫ったムカつく女」、男性からは「身内が王太子妃になるチャンスを潰した女」だという認識なのか城内での立場が少し悪い。とはいえ、フィーネも予想の範囲内だったので普通にしている。ただ、そういうとこ考えなしなのは故国もここも変わらないななどという感想ももつ。


ちなみに何も言わなくてもやらかした人から順番に飛ばされているし、助けてという訴えもされたが特に温情もかけなかった。



「どこの方もそうなのだけれど、わたくしへの態度を振り返って助けてもらえると思えるのがどうかしているわ」

「優斗殿下が怖いのなんて彼らの方が分かっているはずですしね」



いつも優しいお兄様、だった優斗が怯えられている理由はよくわかっていないが、フィーネは特に深く考えず現状を受け入れていた。元より、基本的に屋敷の中で大切に囲われていたので優斗がこれではまるで軟禁だと母親に怒られていても、連れてくる方法が強引すぎると父親にガチギレされていても、のんびりと療養に努めていた。

たまにやってくる小さなお客様とお茶をして、王妃になるための教育を受ける。


そんな日々を繰り返していたある日、優斗は真っ青な顔でフィーネのいる部屋へ飛び込んできた。

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