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ライバル令嬢の妹になりまして  作者: 雪菊
君の為に鐘は鳴る
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いつもの日常へ

生きてた




目が覚めたとき、身体は痛いし動かないしでどうなることかと思った。

なんでだ、と遠い目をしてしまう。


リズベットが半泣きで医者を呼びに走った。なんだかデジャヴ。

バベルたちも無事だといいのだけれど。

そう思いながら周囲を見渡すと、ベルが頬擦りしてきていた。本当は心配かけてごめんねって撫でてあげたいけれど。


しばらくすると、身体を起こされて診察を受けることになった。

その結果、しばらく安静にしてれば治るとのことでホッとする。お父様が隣で静かにブチキレてお説教をしてきたのだけれど、微妙な顔をしてしまい更に「反省しているのかい?」と言われた。反省はしている。メンタル弱りすぎて思慮に欠けていましたごめんなさいお父様。


そして、そこから1ヶ月してリハビリをするために着替えようとしたら洋服が入らなくなっていた。

鏡に映る自分はまだ幼さは残る顔立ちだけれど、丸みを帯びた女性らしい身体付きになろうとしている。少しだけ膨らんだ胸に混乱して目が点になる。


お母様が大喜びでドレスを全て新調した。


お医者様によると、「成長を阻害していた大きすぎる魔力が常人より少し多いくらいになったため、その影響で少しずつ成長したのだろう」ということだった。

とはいえ、それは軟禁期間や療養期間を含めて少しずつ成長した物なので急激に大きく変わったりはしないようだ。実際、自分が鏡をあまり見なかったので気づかなかっただけで、リズベットとドロシーは微笑ましそうに驚いている私を見ていた。


診察を終えて連れてこられたのにホッとしたのだけれど、バベルたちは生還していた。

バベルだけは右腕を失くしてしまったけれど、それでも生きている。前の私であれば欠損した手足でもなんとか治療できたけれど、今の私にそれだけの力はない。


それが申し訳なくって謝ろうと思っていたら、「お嬢様のところへとアレをみすみす向かわせてしまいました。首を落とされても仕方がないものと存じております」とか言うし、お父様が剣に手をかけていた。後ろでレイとドロシーも首を下げて傅いていた。

なんなら、「レイとドロシーの首も落とすかい?」と聞いてきた。こてんと首を傾げるお父様はとってもチャーミングだけれど言っていることはバイオレンス極まりない。丁重にやめていただいた。



「フィーネ。お前の選択一つで人が生き、死ぬ。そのことにもう少し自覚を持ちなさい」



お父様は困ったようにそう言って剣を納めた。次はないよとも言っていた。



「お前が死んでいたら彼らは死体も残らなかった、という事実をしっかり覚えておきなさい」

「…はい」



やる。

お父様なら絶対やる。



「お嬢様がいない人生なんて私には……」



ドロシーが自害もありそうでこめかみを抑えた。



「報復後、後追いはする覚悟はありますので」



バベル……。


レイだけが「死にたくないので、今後は御身の安全を第一にお考えください」と言ってきた。ほっとした。

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