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伯父様といっしょ 3



気づいたら伯父様の仮面が変わっていた。今日もお洒落な仮面ですね。ところでいつどこで変えたんだろう?


ぜぇぜぇ言いながら調子を整えて森に向かおうとすると、伯父様が「ちょっと待っていてくれるかい?」と言って立ち止まらせた。



「そうだね、10分ほどここで立ち止まっていてくれ」

「わかりましたわ」

「良い子だ」



そう言って微笑むと、ユウに了解を取ってから他のメンバーを集める。何かしら、と思ったらユウに耳を塞がれた。あれー?



「わかっていると思うけれど、あの子に何かあったら一人ずつ着実に最も苦しむ方法で消すから覚悟しておくように」



みんなが青い顔で何か返事?をしたくらいでようやく耳から手が離れて非難するようにユウを見ると、「どうした?甘味でも食べるか?」と金平糖みたいなものを渡された。いや、私何歳児……わー金平糖可愛い〜!!瓶の中に入っているそれはオレンジや赤、黄色で日に当たってキラキラと美しく見えた。



「相変わらずチョロい……」

「バベルそれ聞かれたらヤバいんじゃねぇの」



ランスロットのツッコミに「そうでもないが」と首を傾げた。

いや、私だって怒りますよ!ただそのチョロさで迷惑をかけることもあるっぽいのであえて放置はしているけれど。

というか現在進行形で私の独断で動いてるせいで迷惑をおかけしているのでちょっとくらい聞かなかったふりをしとくのが正解かなって感じするんだよなぁ。でもお父様の前では言っちゃダメよって念押しはしてある。お父様多分とっても怒るから。



「ユート殿下…」

「昔のようにユウで構わないが」

「今と昔では立場が違いましょう」

「君の前では1人の恋する愚か者だよ、俺は」



黒い瞳が雄弁に恋を語る。

けれど、今はそんな事を考えられはしないのは、私もまた恋で狂った愚か者であるからなのだろう。


苦笑してそんな事を思っていると、「準備はできているかい」と声がかかった。



「伯父様、どちらに行っておられたのです?」

「所用だよ。君の心に傷ができれば僕はギルに怒られてしまうからねぇ。その対処さ」



どういうことかしら、と思っていると顔に出ていたようで「君が知る必要のないことさ」と伯父様は微笑んだ。



「さぁ、行こうか。僕もあの子ほどではないけれど新しい事を知るのは楽しみだねぇ」



伯父様の肩の上で、テディベアのような妖精がぴょこんと跳ねた。

まあるい手を振る様子は癒しである。…帰りたくなっちゃうな、これ。

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