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お父様にお手紙書いた



バベルに言われてお父様にお手紙を書いた。

拝啓お父様、末娘今のところ元気です。国をまるっと凍らせるのはやめてあげてください。


とりあえず、旅の目的やら目的地やらは書いた方がいいって言われたけれど目的の方はちょっとぼかした。あんまり考えたくないけれど、レオお兄様が飛んできちゃう可能性高いし。魔法や妖精関連の未知のものに弱すぎるんですよあの人。理性が息してない。何もかも捨てて飛んでくる。



「お父様ってばお茶目ね、国を凍土にするとか冗談だとは思うのですけれど」

「本気ですね」

「へ」

「本気ですね」



バベルの発言に止める言葉を一応入れておいてよかったなって思いました。


それはそれとして私たちは今から妖精王の棲家ツアーです。まずは一番遠いうちの領地へと帰ろうとしています。和国との境界に土の精霊王様がいるし、うちの泉に水の妖精王様がいるらしいので。アルお兄様に話を聞いたら、ちょっと会わせたくない我が儘だからって言われたんだけれどどれくらいなのかしら。


というか、アルお兄様の周囲ってそういう女性しか集まらないのかしら。エメルダだけではないのよね、ああいうの。他にも数人特にやべー女がいたけれど、アナスタシア様が婚約者になって以降はアナスタシア様が蹴散らしている。



「わたくしの伴侶に手を出そうなんて一億年早くってよ」



レティお姉様であれば高笑いで気が紛れるのだけれど、アナスタシア様はあくまで優雅に微笑んでそう言っていた。怖い。



「それにしても、お嬢様の髪……勿体ない。なぜ切ってしまわれたのですか?」

「旅に邪魔だったのだもの」

「いや、そもそも旅すんなって話だけどよ」



ランスロットがそうボヤくと、ドロシーはキッと睨んで「お前たちが連れ去ったのでしょう!?」と言ったけれどそんなわけはないのである。



「いや、俺は護衛として雇われただけ。引き受けなかったら一人で行くっつーしコイツ止めれるやつなんていやしねぇし、じゃあついてった方がまだマシってもんだろ」

「俺はむしろ途中までは誘拐されたっていうか」

「結界で閉じ込めて麻袋に突っ込んで運んだわ」



バベルがなんとも言えない顔をしていた。

余裕で犯罪者である。


王殺し?いやあれ病死で片付けられたんですよね。魔法の痕跡残ってれば証拠になったらしいのだけれど、そもそも彼が強奪して反転効果を出していたアミュレットが原因だから正直ほぼ自業自得の自殺なんだよなぁってことになった。そしてそのアミュレットは元々私の魔力で出来ていたので、王から私の魔力が検出されようが、死を早めた結果とは断定できなかったんだって。


まぁ、そんなわけであれはノーカンらしい。


それこそ私が死んでから裁かれそうだけれど、それでもクリス様が帰ってこない限り私はきっと何度でも同じ選択をしたと思う。

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